津軽百首(幻の十三湊)

哀しみの 砂と眠るは 十三湊 ひとり鷗よ 泣いてくれるな

かなしみの すなとねむるは とさみなと ひとりかもめよ ないてくれるな

かつて栄華を極めたと言われ、今は砂の中に眠る十三湊。
私と同じようにひとりでいる鷗よ、泣いてしまうから鳴かないでくれないか。

中世に栄えたと言われ、
歴史の砂にひっそりと眠る十三湊。

津軽史を調べていくうちに、
先人たちの歩んだ道の険しさを感じ、
言葉にならない思いでいっぱいです。

縄文時代は「北のまほろば」とも言われ、
穏やかに暮らしていたはずなのに。

文明の手が及ぶほどに、
どんどん暗く重い歴史の闇は深くなり、
自然に翻弄されながら耐え忍ぶ先人たち。

ああ。
どうして、これほどまでに悲しいのでしょうか。

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あの豊かな津軽平野一面の田んぼも、
多大なる犠牲の元に作られたと思うと、
たわわに実る稲は美しいはずなのに、
物悲しく見えてしまいます。

地吹雪がまるで人の泣き声のように聞こえるのは、
先人たちの心の声なのかもしれません。

忘れてはいけない。
そして、伝えていかなければいけない。

そんなことを思いながら、
また気持ちも新たに津軽百首に臨みたいと思います。

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