津軽百首(冬支度その三)

秋霜の 軒に連なる菜の簾 津軽の風に やがて馴染まん

しゅうそうの のきにつらなる なのすだれ つがるのかぜに やがてなじまん

冷たい秋の霜で凍える軒先に、簾のように括られた青菜が連なっています。
北風に晒されてカラカラに乾けば、「しぐさ」の完成です。

(※安田蝸牛さんから下の句をいただきました、ありがとうございました!)

祖母が括り、
祖父が干した大根菜が、
軒先に簾のように吊るされている。

秋の霜が降りるようになり、
風が冷たさを増して、
足早に冬がやってくる。

今はまだ青々としたこの菜の簾も、
やがて津軽の北風に馴染んで、
カラカラに乾いていく。

これを水で戻し、
細かく切り、味噌汁にする。

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石油ストーブの上に、
金色のアルミ鍋にいれられた「しぐさ汁」は、
くつくつと小さな音をたてて、
夕餉に備えている。

決してご馳走ではなく、
粗食そのものの味なのだが、
たまに無性に食べたくなる。

しぐさ作りが終わったなら、
今度は雪囲い、ニシン漬け、ほっけの寿司などを作る。

厳しく長い津軽の冬。
冬支度はまだまだ続く。

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