津軽百首(藁焼きをする父)

藁焼きの 風に倣いて 畔行けば 父の背見える 秋の夕暮れ

わらやきの かぜにならいて あぜゆけば ちちのせみえる あきのゆうぐれ

夕暮れ時、藁焼きの煙の先を辿りあぜ道を歩くと、煙の中に父の後ろ姿が見えてきます。

稲刈りが終わると、
津軽平野は藁焼きの季節。

秋晴れの日が続き、
風が強くない日が藁焼きの日となる。

風が強ければ、
火のついた藁が飛び危険。

一度でも雨が降ると、
数日は藁に火がつかないので延期。

こうして選んだ秋の一日。

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あちこちで焼かれる藁の煙で、
辺りは一面靄に包まれたようにぼんやり。

そんな中、
父を呼びに行くときは、
風上に向かってあぜ道を歩く。

藁焼きは、
風下から風上に向けて行われるので、
風の向きを知れば見つけやすい。

薄靄の先に、
藁の火が消えないよう、
空気を入れる父の背中が見える。

 

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