津軽百首(雪の酸ヶ湯温泉)

湯煙りに 湯治の人影 ぼんやりと 雪すら温む 酸ヶ湯温泉

ゆけむりに とうじのひとかげ ぼんやりと ゆきすらぬくむ すかゆおんせん

モウモウと煙る湯煙の中に、湯治に来た人影がぼんやりと見える。
その湯煙は雪すら温めているような、真冬の酸ヶ湯温泉。

雪深い津軽の中でも、
酸ヶ湯温泉の場所は豪雪と呼ぶに相応わしい場所。

冬になると、
どの場所がどのくらいの積雪なのかとニュースとなるのですが、
弘前よりも五所川原よりも、
圧倒的に青森の酸ヶ湯温泉の積雪が多いのです。

その理由として、
五所川原から以北だと地吹雪で雪が風に飛ばされてしまい、
弘前は岩木山のお膝元だからか、もともと積雪が少なめ。
風がそこまで強くない青森は、しんしんと雪が積もりやすい。

私は、五所川原近辺、弘前市、青森市と暮らしたことがありますが、
やはり積雪量は青森が1番多かったです。

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その青森市の八甲田山近くにある酸ヶ湯温泉は、
古くから湯治場で有名です。

もうもうとした湯けむりは、
壁となった雪すら暖かそうに見える勢いで。

あたりはむせ返るほどの硫黄の匂いで、
雪の白なのか、湯けむりの白なのか、とにかく景色が白い。
その白のなかに、薄墨のような人影がちらほら。

長く厳しい津軽の冬を癒し続けてきた酸ヶ湯温泉。
その歴史は、これからもずっと続いていくのです。


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