津軽百首(綿のお布団)

母の愛 寒くないよう 沢山の 綿を詰めては 娘を思ふ

ははのあい さむくないよう たくさんの わたをつめては むすめをおもう

嫁ぐ娘にもたせる布団には、津軽の冬も越せるように、たくさんの綿を詰めて寒くないように祈りながら作ります。

母方の祖母が、
嫁ぐ母にもたせたお布団。

綿がぎっしりつまった、
それはそれは重いお布団。

でも、母はそれを使うことなく、
ずっと押入れに大事にしまっていて。

私たちが上京するときに、
そのお布団を持たせてくれました。

そのままではさすがに使えないので、
ふとん屋さんに持っていき、
打ち直ししてもらおうとしたところ。

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「これはいい綿だね。雪国出身の人かな?
あっちでは、寒くないように綿をたくさん詰めて布団を作るんだよね。
母の愛だよね。大事に打ち直させてもらうよ。」

そう、布団職人さんに言われました。

祖母の愛が母へ、
その母から、私たち家族へ。

打ち直した布団は、
数年に一度、新たに綿を足して、
今でも使っています。

羽毛布団では味わえない、
重くてぎっしりとした暖かい布団。

今夜もぐっすり眠れそう。


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