津軽百首(津軽への祈り)

出づる日よ 若芽吹かせよ 木々に花 神の恵みを 我が故郷に

いづるひよ わかめふかせよ きぎにはな かみのめぐみを わがふるさとに

陽の光よ、若芽を育て木々に花を咲かせておくれ。岩木川よ、神の恵みをどうか私の故郷に。
(めでたいと言われる「づ(つ)る」と「かめ」、そして岩木川は折句として詠んでいます。)

津軽の歴史は、
岩木川とやませとの戦いでした。

治水工事が行われるまで、
数え切れないほど氾濫が起き、
数年おきに訪れる冷夏は、
農作物において壊滅的な被害をおこしました。

それは、
けがち(飢饉)として容赦なく村を襲い、
悲しい歴史となりました。

だからこそ、
津軽には神社仏閣が多くあります。

物悲しさがとことなく漂う津軽の地は、
こうした時代背景から来るものも多いのかもしれません。

 

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首としては、
表向きは「陽の光」として冷害が起きないよう、
日の神さまへの祈りとなっています。

「出づる」の「づる」に「鶴」を、
「若芽」の「かめ」に「亀」で縁起がよくなるように。

そして、
頭文字を見ていただくとわかるように、

「い・わ・き・か(が)・わ」と折句にしています。

日の神さまと共に、
岩木川への祈りも込めてみました。

先人たちの厳しい戦いに敬意を表すとともに、
その御霊が安らかであられるよう鎮魂の祈りと、
深い感謝の気持ちで詠んだ首です。

うたのわに参加しています。


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