輪になりて 大きな数珠に 念仏を 唱え継がれる 百万遍塔
わになりて おおきなじゅずに ねんぶつを となえつがれる ひゃくまんべんとう
お彼岸の時期になると、大きな数珠を持ち、集落にある「百万遍」と書かれた石塔の前で輪になって数珠を回しながら念仏を唱え、祈りを捧げていた。
今はもうみることもない、遠き日の思い出。
津軽百首(百万遍塔・津軽弁)はこちら
私がまだ小学校の頃、
お彼岸になると行われる行事があった。
それは、
集落の入り口にある「百万遍」の石塔を、
大きな数珠を持ちながら、
念仏を唱えていくというもの。
参加者は、
隣近所のおじいちゃんおばあちゃんや、
その集落の子供達。
「なんまんだぶ、なんまんだぶ(南無阿弥陀仏、南無阿弥陀仏)」
と、抑揚をつけた念仏を唱えながら数珠を回す。
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緑のフサフサがついた一際大きな数珠玉がきたときは、
自分のおでこにつけて祈る。
念仏が終わった後は、
お供えしたお菓子をみんなで食べて、
ジュースも飲んで、大満足。
今はもう、過疎化が進んでやる人もなくなった。
それでも、
帰省時に百万遍の石塔の前を通るたび、
お辞儀をする。
今でも村を守ってくれていることへの感謝と、
ただいまの意味も込めて。