津軽百首(托鉢する僧に)

枯ら声と 鈴の音重ぬ 尾花野に 坊の涙も なくぞなからむ

からごえと れいのねかさぬ をばなのに ばうのなみだも なくぞなからむ

しわがれた声に鈴の音を重ねすすきが揺れる野を歩く托鉢の僧よ、涙は流さないだろうか、いや流したはずだ。
※かれをばな(枯れ尾花)の折句です。

しわがれた声と対照的に、
空気を清めるような鈴の音。

冷たい風が吹くすすき野を、
ただ一人歩く托鉢僧よ。

修行とはいえ、
物悲しくはないのだろうか。

涙は流さないのだろうか。
いや、流さないはずはない。

それでも、
人々の功徳を積むために。

僧は一人、ただ歩いていく。

 

私が幼い頃、
曽祖母の家に遊びに行ったときのこと。

托鉢僧が訪れ、
曽祖母がご飯を施し、
両手を合わせ頭を下げ、
とてもありがたそうにお経を聞いておりました。

ひ孫である私も一緒に、
「とてもありがたいことだから」と、
お経をききました。

その時はわからなかったのですが、
大人になり色々な経験をして、
修行とはいえ、
人々の功徳を積むために托鉢をする僧は、
きっと流さない涙もあったのだろうと。

またこの首は「かれをばな(枯れ尾花)」の折句となっています。
それぞれの頭文字をみると、「か れ を ば な」です。

最近は隙間時間を使って、あらためて和歌を勉強中です。
奥が深いと感じる今日この頃です。

うたのわに参加しています。

この短歌を詠んだ人
ふじこ

こんにちは、あなたに寄り添う心の短歌のふじこです。
2017年から短歌を詠み始め、気が付けばもう500首以上になりました。日々の風景、育児、心、そして、生まれ育った津軽を主に詠んでいます。今は遠きふるさと津軽を思い「津軽百首」を制作中。

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津軽百首
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