祖母宅で まず出されるのは ねりこみと 刺身にお酒 椎茸うどん
そぼたくで まずだされるのは ねりこみと さしみにおさけ しいたけうどん
祖母の実家に親戚が集まるときは、決まって、甘いねりこみと刺身に椎茸うどん、そしてさまざまなお酒がテーブルに並んでいた。

今はもう、田舎でも少なくなったと思いますが、
昔は慶弔に関するものは家で行うものでした。
とはいえ、何十人もの人数をおもてなしするのは、
一般の家ではまず広さが足りません。
だからこそ、本家の家で親戚一同が集まり、
さまざまな催事を行ったものです。
祖母の実家はとても大きな家だったので、
親戚一同よく集まって、母やみんながたくさんの料理を出して、
私も運んだりお酌を手伝ったりしたものでした。
甘いねりこみは、
さつまいも、にんじん、ほししいたけ、さつま揚げを甘く煮て、
とろみをつけたものです。
そのねりこみと、新鮮なお刺身、様々なお酒、そして椎茸うどん。
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これらが祖母宅での基本のおもてなし料理。
これに、仕出しのお膳やオードブル、おつまみやお菓子がつき、
食べきれないものはお手伝いに来てくれた人が持ち帰ります。
子供たちは子供たち同士で集まって、
とにかくいろんなことで遊びまくり。
大人は大人の、子供は子供の世界があった時代。
季節が巡るたびに、
ふと強く懐かしく思い出される不思議な感覚。
もう数十年前のことなのに、
それでも、昨日のように思い出される瞬間。
時間というものは、意外と、
容易に行き来できるものかもしれないと思うのです。