津軽百首(鏡餅作り)

正月の 餅を丸めて 暮れ行けば 白に染まるる 津軽の冬よ

しょうがつの もちをまるめて くれゆけば しろにそまるる つがるのふゆよ

お正月用の鏡餅を丸めて作る頃には、津軽は雪も深くすべてが白に染まる世界に変わっている。

私の実家では、
鏡餅はいつも手作りでした。

あまりにも早く作りすぎるとカビがはえるので、作るのは大みそかの前日。

祖母と母、そして私と、
女三人がつきあがった餅を丸めます。

つきたてのお餅は、
それはそれは熱くて火傷しそうなほど。

粉をまいて、
でも粉をつけすぎるとひび割れるので、
気を付けながら作っていく。

鏡餅は神様へ備えるもの。

幼いながらに、
楽しさよりも緊張して作っていました。

鏡餅が作り終わったら、
いよいよおせち作り。

とはいえ、
青森は大みそかにお膳としてみんなで食べるので、
年末は大忙し。

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紅白歌合戦が始まるころには、
みんなで座って、
大人はお屠蘇、子供はジュースで食べ始める。

お膳は一年に一度、
この時だけ出されるもの。

特別感が満載で、
兄と二人でわいわいがやがや。
父は祖父と静かに酒を酌み交わす。

祖母は大好物の数の子を食べられるし、
母もやり終えた解放感でほっとするのか、
みんなうれしそうな顔で年越し。

もう遠い昔のはずなのに、
今でも、
12月になると思い出す。

青森の風習。
伝えていかないとと思いつつも、
なかなかお膳を買って作るということまでいかず。

せめて、
今年は甘納豆で作る甘いお赤飯を作ろうかな。
いや、紅ショウガの甘いお稲荷さんかな。

そんなことを考えながら、
今年の年末をどう過ごすか考え中の今日この頃です。



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