暮れなずむ 空を見上げし 池の鯉 己が姿を 知る由もなく
くれなずむ そらをみあげし いけのこい おのがすがたを しるよしもなく
水の中から顔を出して、暮れなずむ空を見上げている池の鯉。
自らその色をまとっていることを知るすべもなく、ただ空を見上げている。
水の中から見える空。
本当の空は、
どんな色なのだろうか。
差し込む光はやわらかくあたりを照らし、
夜の闇は静けさをもたらしてくれる。
でも、それは光の量がかわるだけ。
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では、空は。
空はなぜ色を変えるのだろうか。
顔を出して見た空は、
なぜか懐かしく暖かい色。
本当は、
自分も同じような緋色をまとっているのに、
それに気づく術もない。
自分と違う世界の空に、
憧れにも近い思いを抱いて。
ただただ、
暮れなずむ空を見つめている。