暮れなずむ空と鯉

暮れなずむ 空を見上げし 池の鯉 己が姿を 知る由もなく

くれなずむ そらをみあげし いけのこい おのがすがたを しるよしもなく

水の中から顔を出して、暮れなずむ空を見上げている池の鯉。
自らその色をまとっていることを知るすべもなく、ただ空を見上げている。

水の中から見える空。

本当の空は、
どんな色なのだろうか。

差し込む光はやわらかくあたりを照らし、
夜の闇は静けさをもたらしてくれる。

でも、それは光の量がかわるだけ。

では、空は。
空はなぜ色を変えるのだろうか。

顔を出して見た空は、
なぜか懐かしく暖かい色。

本当は、
自分も同じような緋色をまとっているのに、
それに気づく術もない。

自分と違う世界の空に、
憧れにも近い思いを抱いて。

ただただ、
暮れなずむ空を見つめている。

この短歌を詠んだ人
ふじこ

こんにちは、あなたに寄り添う心の短歌のふじこです。
2017年から短歌を詠み始め、気が付けばもう500首以上になりました。日々の風景、育児、心、そして、生まれ育った津軽を主に詠んでいます。今は遠きふるさと津軽を思い「津軽百首」を制作中。

ふじこをフォローする
自然