路地の山茶花

時来れば いづれ散りぬる さだめとて 春を待つのか 路地の山茶花

ときくれば いづれちるぬる さだめとて はるをまつのか ろじのさざんか

時が過ぎればいずれ散ってしまう命と知りながらも、それでも路地の山茶花は春を待つのでしょうか。

ひらり、ひらりと、
一枚一枚はなびらが落ちていく。

椿のように、
花ごと落ちるでもなく、
桜のように、
とめどなく散るようでもなく。

ただそっと、
その衣を一枚ずつはがすように、
山茶花は花びらを散らしていく。

それは、
己の定めを知っていながらも、
春の陽気を夢見て、
冬の衣を脱ぎ捨てるかのようにも見えて。

せめて。
せめて、春は無理でも、
日差しが暖かい日が続きますように。

路地の山茶花に、
とうとう春に出会えたと思えるくらいの、
暖かな日差しが降り注ぎますように。

この短歌を詠んだ人
ふじこ

こんにちは、あなたに寄り添う心の短歌のふじこです。
2017年から短歌を詠み始め、気が付けばもう500首以上になりました。日々の風景、育児、心、そして、生まれ育った津軽を主に詠んでいます。今は遠きふるさと津軽を思い「津軽百首」を制作中。

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