津軽百首(津軽の冬に)

しゅんしゅんと 薬缶息まく 奥津軽 しんしん積もる 雪は重なり

しゅんしゅんと やかんいきまく おくつがる しんしんつもる ゆきはかさなり

厳しく雪深い奥津軽の冬。降り続ける雪は全ての音を吸い込んで、ただストーブの上の薬缶の蒸気音だけが響いている。

津軽百首(津軽の冬に・津軽弁)もぜひ読んでいただけたら幸いです。

奥津軽の冬は厳しい。

晴れの日は数えるほどしかなく、
重苦しい鉛色の空に、
しんしんと、
そして暴風とともに吹き荒れる雪。

冬になると閉鎖的になり、
道行く人も言葉少なく、
みな家路を急ぐ。

そんな厳しい外とは対照的に、
家の中は暖かい。

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石油ストーブの上には、
しゅんしゅんと蒸気を上げる薬缶。

その蒸気が湿った暖かさになり、
冷え切った体をじんわり温めてくれる。

しんしんと降り積もる雪は、
そのすべての音を吸い込んで静寂をもたらす。

青白い世界の中で、
ただしゅんしゅんと薬缶の音だけが響く。

厳しくも温かい、
奥津軽の冬。

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