消える思い出

さらさらと すり抜け落ちる 時の砂 過去の思いも 風と去りゆく

さらさらと すりぬけおちる ときのすな かこのおもいも かぜとさりゆく

砂時計の砂がさらさらと落ちていくように、いろいろな思いも風のように去っていくようだ。

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楽しい思い出も、悲しい思い出も、思い出と名の付くものは全て忘れてしまうのだろう。
望む望まないにしろ、記憶はゆっくりと薄らいで消えていく。

砂時計の砂は、留まらずに流れ落ちる。
その流れが止められないように、すべては忘却の彼方へ向かうのみ。


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恋の始まり

君来ぬと 今か今かと待ちわびて 来たらば夢かと 落ち着きもせず

きみこぬと いまかいまかと まちわびて きたらばゆめかと おちつきもせず

いつか愛する人に出会える日が来ることを待ちわびていましたが、出会えたら今度は夢なのではないかと思って、心が落ち着きません。

いつか愛する人に出会えるのでしょうか。
それは、いつの日なのでしょうか。

そんなことを思いながら、今か今かと待ちわびる日々。

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そして、とうとう巡り合えたあの日。
今度はもう胸がいっぱいで、夢なのではなかろうかと落ち着かない日々。

恋とはいつの時代も、心を色めき立たせるもの。

 

 


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粉雪の儚さ

てのひらで 儚く消える 粉雪は ただひゅんひゅんと 通り過ぎゆく

てのひらで はかなくきえる こなゆきは ただひゅんひゅんと とおりすぎゆく

北風に乗って飛ぶ粉雪は、手のひらにとまったものだけ儚く消えていく。

凍てついた灰色の空。
ひゅんひゅんと吹きすさぶ北風に乗って、粉雪が飛んでいる。

手のひらに触れたそばから溶けていく粉雪。

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世界がうっすらと白く見えるくらい飛んでいる粉雪なのに、そのひとつひとつは触れればいとも簡単に溶けていくのだ。

視界全てを変えるくらいなのに、それぞれは儚い粉雪。
人間もおおよそ同じなのかもしれないと思った冬の日。

 


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空を舞う枯れ葉

ひらひらと 軽きその葉は 色変えて 寒空に舞う 新しき命

ひらひらと かるきそのはは いろかえて さむぞらにまう あたらしきいのち

赤や黄色など鮮やかな色へと変化した枯れ葉たちは、新しい命をもらったかのように寒空にひらひらと舞っている。

夏の間は涼しさすら感じさせる緑色の葉が、いつしか赤や黄色などの鮮やかな色に変わってく。
そして軽くなったそれらの葉は、木の枝から離れて空へと舞う。

それはまるで、新しい命をもらったかのように誇らしく力強い。

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いずれ風が止み落ちるとしても、それでも次々と空に舞い続けていくのである。

 

 


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蛍飛ぶ夜

蛍飛び 涼風そよぐ 宵の間に 蚊取り線香 静かに揺蕩う

ほたるとび すずかぜそよぐ よいのまに かとりせんこう しずかにたゆたう

夏の夜。蛍がちらちらと飛んでいる中、蚊取り線香の煙がゆらゆらと漂っている。

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夏の夜。
蛍の光がちらちらとあちこちに浮かび上がる。

その幻想的な光と、蚊取り線香のゆらゆらとした煙がとても相まって美しい。
涼しい風がより一層心地よさを際立たせてくれるひと時。


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