津軽百首(終わりのない雪かき)

しんしんと ただ無情にも 降り積もる 雪かきのあと かき消すように

しんしんと ただむじょうにも ふりつもる ゆきかきのあと かきけすように

根雪になり冬の寒さに慣れた頃、満を持して訪れる寒波。ただ静かに降る雪は、さきほど雪かきをしたばかりの場所を、かき消すように覆っていく。

冬になると訪れる寒波。

雪に馴染みがない場所であらわすと、
イメージ的には、真冬に来る台風…という感じでしょうか。

風台風、雨台風というものがあるように、
暴風を伴う寒波、大雪の寒波があります。

暴風を伴う寒波だと、
いわゆる地吹雪になりホワイトアウト。

視界が真っ白に染まり、
数メートル先が見えなくなります。

そんなときはどう運転してるのかといいますと…
(青森は車社会ですから)

みんな、勘です。

車のテールランプを目印にすることもありますが、
風が弱まったときにわずかに見える道を覚えておいて、
ゆっくりゆっくりと進むのです。

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除雪で積み上げられた雪で狭くなった道路、
そこを譲り合い、なんとか切り抜ける。

雪のない季節に青森を訪れると、
どこの道路も本当に広いと思います。

ですが、冬はこれが雪で埋まり、
二車線は一車線になり、
一車線はすれ違えないくらいの狭さとなります。

譲り合わないと進めない道路。
終わることのない雪かき。
ずっと晴れることのない鉛色の空。

だからこそ、
津軽の人々はひっそりと、
辛抱強く春を待つのです。

冬の厳しさを知るからこそ、
春の優しさが何よりもありがたい。

自然に対する畏怖の念は、
こうして培われるのかもしれません。


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