神さぶる 岩木の山は 二藍の 被衣かぶりて 宵を待つらむ
かみさぶる いわきのやまは ふたあいの かつぎかぶりて よいをまつらむ
神々しい岩木山は、二藍色の被衣かぶりながら、夜を待っているのでしょう。
![](https://tankaw.com/wp-content/uploads/2021/12/AMEYUUdisk_TP_V4.jpg)
被衣 (かつぎ)は、
女性が顔を見せないようにするために頭からかぶる衣のことです。
岩木山の神様は、
女性といわれています。
津軽富士と呼ばれるくらい美しく、
見る方面によって、
女性の横顔にも見えるといわれています。
私のふるさとである鶴田町は、
ちょうどこの横顔の岩木山が見える場所。
農作業をするときも、
学校に通う時も、
会社に向かう時も、
どんな時も。
岩木山は、
常にそこにあって、
心のよりどころになっています。
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もともと、
雪深い津軽には、
極端に高い建物は存在しません。
雪が積もったときの、
落雪の危険性や、
屋根の雪下ろし問題などもあるからです。
だからこそ、
どこまでも見通しが良く、
その広い平野に岩木山があります。
日が落ちて、
夜になる前の宵のひととき。
岩木山の神様は、
二藍色の被衣をかぶり、
夜を待つのでしょう。
それほどまでに、
この時間の岩木山は美しいのです。