立ち枯れの花

立ち枯れの 枝に咲く花 色あせて もとの姿を 知る人もなし

たちがれの えだにさくはな いろあせて もとのすがたを しるひともなし

立ち枯れた枝に、乾いた花が散ることなく咲いている。その色が本当は何色だったのかは誰も知らない。

春になり、
いろいろな花が咲き誇る中、
立ち枯れの木には白い花が咲いている。

正確には、咲いていた、なのだろう。

水分がなくなり、
色あせたその花は、
元から白だったのだろうか。

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薄桃色かもしれないし、
薄黄色だったのかもしれない。

いま、目の前に花が咲いているのに、
その花の本来の色を知る人はいない。

それでも、確かにその花は咲いている。

ただ、過ぎた時間を物語るように。


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あなたに寄り添う心の短歌は、日常のふとした瞬間を短歌でつづっています。

人の心、季節の移り変わり、花の色、風の音。それは気にしなければ気にならずに済むくらいの小さな出来事。

その小さな出来事を忘れないように、思い出せるように、短歌を作ります。あなたの心の琴線に触れる歌があれば幸いです。

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