立ち枯れの 枝に咲く花 色あせて もとの姿を 知る人もなし
たちがれの えだにさくはな いろあせて もとのすがたを しるひともなし
立ち枯れた枝に、乾いた花が散ることなく咲いている。その色が本当は何色だったのかは誰も知らない。
春になり、
いろいろな花が咲き誇る中、
立ち枯れの木には白い花が咲いている。
正確には、咲いていた、なのだろう。
水分がなくなり、
色あせたその花は、
元から白だったのだろうか。
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薄桃色かもしれないし、
薄黄色だったのかもしれない。
いま、目の前に花が咲いているのに、
その花の本来の色を知る人はいない。
それでも、確かにその花は咲いている。
ただ、過ぎた時間を物語るように。