道路に咲く花

ひび割れた 道路にひそりと 咲く花よ 定めと知りて ここで芽吹くか

ひびわれた どうろにひそりと さくはなよ さだめとしりて ここでめぶくか

ひび割れた道路の隙間に、ひっそりと咲いている花よ。
ここで咲くのが定めだと知っていたからこそ、芽吹いたのだろうか。

わずかな水と、
わずかな土さえあれば、
花を咲かせるには十分。

それが定めだと知っているからこそ、
アスファルトの隙間から芽吹いたのだろうか。

もう少し行けば、
柔らかな土も豊富な水もあるだろうに。

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種が落ちた場所が運命の場所なのか、
運命の場所だから種が落ちたのか。

人もまた同じ。

生まれた環境を運命と思えるか、
運命だから生まれたと考えるか。

その答えはきっと、
この花が知っているのだろう。


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梅雨寒の空に

梅雨寒の 空は初秋に 見えるとも 紫陽花ありて 初夏と知るなり

つゆざむの そらはしょしゅうに みえるとも あじさいありて しょかとしるなり

梅雨の合間の肌寒い日。鉛色の空はまるで初秋を感じさせるが、道端に咲いている紫陽花のおかげで、今はまだ梅雨なのだと感じられる。

空の色だけを見るなら、
吹き抜ける風の冷たさだけを感じるなら、
この梅雨寒はまるで初秋そのもの。

ただ、初秋の世界にはないものが1つ。

それが、紫陽花。

この紫陽花があるからこそ、
今は初秋ではなく、梅雨の最中なのだと思い知らされる。

そう、空だけでは、
風の冷たさだけでは、
季節はあいまいになってしまう。

でも、紫陽花はこの時期にしか咲けない。

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だからこそ、季節を間違うことなどない。
間違えるはずがないのである。


今年の天気はとても不安定ですね。

五月の半ばだというのに35度近く上がったかと思えば、六月の半ばだというのに18度くらいまで下がる日もあり。

体調管理が難しい日々ではありますが、来たる夏に備えて、体を少しずつ慣らしていこうと思う今日この頃です。

皆様もお身体をご自愛くださいますように。


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老い桜の誇り

喧騒を 遠くに眺む 老い桜 見目変わりても 咲くを誇りて

けんそうを とおくにながむ おいざくら みめかわりても さくをほこりて

花見客の喧騒をどこか遠くのことのように見守っている古い桜の木。
見た目が変わったとしても、咲くことを誇っているかのようにひっそりと咲いている。

週末に、家族でお花見をしました。

隅田川沿いの桜並木。
川の向こうにはスカイツリー。
ものすごい喧騒。

主人に写真を撮ってもらい、
その情景を目に焼き付けながら、
短歌を詠んでは推敲。

もともとが田舎出身なので、
どうしても都会の喧騒は慣れなくて、
早々に車に戻ろうと帰り道を歩いていると。

静かな古いお寺に一角に、
古い桜の木がひっそりと咲いていました。

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先ほどの喧騒が嘘のように、
訪い人もいない静けさ。

おそらく、
この桜ももっと空を覆い尽くす時もあったのでしょう。
そして、
その花を愛で、人が賑わっていたのでしょう。

誰の目に触れずとも、
少ない枝に花を咲かせる老い桜。

その佇まいに、
我が身も正さなければと思った休日でした。

人も桜も、
盛りはもちろん美しい。

ですが。

老いても誇りを失わなければ、
若さでは表せない美しさがあるのです。


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白雲の梅

白雲の 指で染めたる 梅の花 咲き渡りては 空を仰ぎて

しらくもの ゆびでしめたる うめのはな  さきわたりては そらをあおぎて

白い雲の指先が触れたように真っ白に咲く梅の花は、みんな白い雲が恋しいから空を仰いでいるのでしょう。

吹き抜ける風が柔らかくなり、
まさに春本番。

空に浮かぶ白雲と見紛うほどに、
一面に咲く梅の花。

その白さはまるで、
白雲が触れて染めたかと思うほど。

白梅が空に向かって咲き誇るのは、
白雲を恋しがっているからなのでしょうか。

甘い香りと風に舞う花びらは、
さながら白雲への恋文のようにも思えます。

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紅梅も華やかで見事ですし、
薄紅梅も可愛らしいのですが、
白梅は清らかさがあるような気がします。

これで、梅三種の短歌が完成いたしました。

薄紅梅は、幼子に通じるような可愛らしさ。
紅梅は、一輪でも目を惹く華やかさ。
白梅は、真摯な清らかさ。

それぞれのイメージで詠んでみました。

 

さて、今日はこれからいよいよ裁縫タイム。

手持ち無沙汰で拗ねている娘に説明をしながら、
今週中にすべて終わらせようと思います!


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紅梅の簪

花の香に 誘はれ見れば 梅一輪  春陽に照る 紅の簪

はなのかに さそわれみれば うめいちりん しゅんようにてる  こうのかんざし

花の香りの先に目をやると、春の柔らかい日差しの中、細い枝先に紅梅が一輪、まるで簪のように咲いていました。

先日、家族で梅を見に行きました。

とても暖かく、
風も柔らかく、
まさに春が来たと言わんばかりの日。

ひときわ甘い香りがしたので、
ふと見上げると、
一輪だけ咲いている紅梅が。

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細い枝先に、
たった一輪だけ咲いている紅梅は、
まるで簪のようにも見えます。

その昔、
この梅を見て愛しき人の髪に飾りたいと、
和歌に添えて送った人もいたのだろうと、
そんなことを思わせてくれるような見事な紅梅の簪。

のどかな光の中で、
甘酒をいただきながら歌を詠み、
古の人へ想いを馳せる。

ゆっくりとした時間に、
心が癒された一日でした。


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