雄大な自然と小さき自分

我ありと 刻みし跡も 我なしと 伝いし露も 波はつれゆく

われありと きざみしあとも われなしと つたいしつゆも なみはつれゆく

自分はここにいるんだと踏みしめてつけた足跡も、人知れず流した涙も、どちらも平等に波は連れ去って行ってくれる。

寄せては返す波。
時に激しく、時に優しく、規則的に途切れることなく続いてる。
晴れた日も雨の日も、夜明けも月明かりも、春の日も冬の日も、一度たりとも休むことのない波。

自分はここにいるんだと踏みしめた足跡すら、ゆっくりと、しかし確実に波は連れ去っていく。
そこには、悲しみも侮蔑も憐れみもない。
ただ寄せては返す、それだけのこと。その中に何があったとしても変わらないこと。

人知れずこぼした涙までも、波は連れ去ってくれる。
雄大な営みの前では、個人の悩みなどは随分と小さいものだ。

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ですが、それでいい。人はそれでいい。
小さいからこそ、悩みぬくからこそ、這い上がるからこそ、人なのだ。

すべてが雄大である必要はない。
同じように、すべてが優良である必要もない。

ただ自分が自分であることを忘れないこと。
雄大な海を目の前にしても、自分は自分だと感じられているのなら大丈夫。

小さきものは小さいなりにあがくのみ。
それでいい、いや、それがいいのだ。


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あなたに寄り添う心の短歌は、日常のふとした瞬間を短歌でつづっています。

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