サヨナラと桜

サヨナラと 言いたくなくて いつまでも 佇む私に ただ降る桜

さよならと いいたくなくて いつまでも たたずむわたしに ただふるさくら

別れの言葉を言いたくなくて佇んでいる私に、散り際を間違えない桜の花びらは当たり前のようにひらひらと舞い落ちていく。

桜の散り際は実に見事。

どれだけ人に望まれていても、
どれだけ人に惜しまれていても、
散る時は一斉に散っていく。

私といえば、
「サヨナラ」の言葉を言いたくなくて、
ただここに佇んでいる。

言えば、終わってしまう。
言えば、会えなくなってしまう。

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だからこそ、
最後の言葉が言えない。

そんな私に、
散り際を間違えない桜の花びらは、
ひらひらと降り注ぐ。

その花びらに勇気をもらって、
いつもより少しだけゆっくり息を吸って。

言おう、君に。
「サヨナラ、今までありがとう」


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あなたに寄り添う心の短歌は、日常のふとした瞬間を短歌でつづっています。

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