霧雨の森

雨ならば もう来ぬものと 思へしを 君を待ちたる 霧雨の森

あめならば もうこぬものと おもえしを おとないをまつ きりさめのもり

雨ならもう来ないと諦められるのに、霧雨ならば、君がきてくれるのではないかと思い待ってしまう。

雨ならば、
来ない理由になるはずなのに。

雨ならば、
もう待つこともないのに。

雨ならば、
諦めもつくのに。

晴れならば、
もう来ているはずなのに。

スポンサーリンク

晴れならば、
もう一緒にいるはずなのに。

霧雨なら、どうしよう。
霧雨なら、どうしよう。

霧雨ならば、
待つしかない。

霧雨の森で、
待つしかない。


スポンサーリンク

あなたに寄り添う心の短歌は、日常のふとした瞬間を短歌でつづっています。

人の心、季節の移り変わり、花の色、風の音。それは気にしなければ気にならずに済むくらいの小さな出来事。

その小さな出来事を忘れないように、思い出せるように、短歌を作ります。あなたの心の琴線に触れる歌があれば幸いです。

ブログランキングに参加してます。よろしければクリックお願いいたします。

にほんブログ村 ポエムブログ 短歌へ
スポンサーリンク

当然と思わぬように

当然と いう物事の 裏側に 在りし感謝を 忘るべからず

とうぜんと いうものごとの うらがわに ありしかんしゃを わするべからず

当然だと思っていることほど、意識して感謝する心をわすれないようにすべきである。

夜の街が明るいことも、
水道から水が出ることも。

お金を出せば物が買えることも、
暖かい毛布で眠れることも。

当然だと思っている事柄には、
必ず、その裏で誰かが仕事をしていること。

お金を払っているから当然。
それが仕事なんだから当然。

その当然は、本当に当然なことなのか。

あなたが手にしているものは、
お金を対価に仕入れたけれども。

スポンサーリンク

お金だけはそのものは作り出せない。
必ず、誰かの手が必要になっている。

だからこそ、
当然という概念こそ、
奢っている心だと気がつこう。

直接知り合うことはないけれど。
お礼を言えるタイミングもないけれど。

電気もガスも水道も、
漁師も農家も畜産家も、
ITも、工場も、サービス業も。

生活に関する全てに携わってる方々に。
心から、本当に心から感謝します。



スポンサーリンク

あなたに寄り添う心の短歌は、日常のふとした瞬間を短歌でつづっています。

人の心、季節の移り変わり、花の色、風の音。それは気にしなければ気にならずに済むくらいの小さな出来事。

その小さな出来事を忘れないように、思い出せるように、短歌を作ります。あなたの心の琴線に触れる歌があれば幸いです。

ブログランキングに参加してます。よろしければクリックお願いいたします。

にほんブログ村 ポエムブログ 短歌へ
スポンサーリンク

シルバーグレイの憂鬱

色褪せた シルバーグレイの 憂鬱を 照らす夕日は 哀しさ増して

いろあせた しるばーぐれいの ゆううつを てらすゆうひは かなしさまして

今はもう昔の色を思い出すこともなくなったシルバーグレイの外壁を、夕日が包み込むように照らしている。まるで、慰めるかのように。

夕暮れはいつも、
人を感傷的な気分にさせる。

それは、
全てを許すような、
そして、
諦めを促すような、
不思議な光。

この外壁も、
元は違う色だったのだろう。

幾年もの雨風にさらされ、
太陽と月に照らされ、
シルバーグレイとなる。

スポンサーリンク

それは自然の摂理で、
もう元の色に戻ることはないのだけれど。

その全てを包むかのように、
今日も夕日は照らしている。

冷たくもなく、
暖かくもなく。

ただ、その憂鬱をなぐさめるかのように。


スポンサーリンク

あなたに寄り添う心の短歌は、日常のふとした瞬間を短歌でつづっています。

人の心、季節の移り変わり、花の色、風の音。それは気にしなければ気にならずに済むくらいの小さな出来事。

その小さな出来事を忘れないように、思い出せるように、短歌を作ります。あなたの心の琴線に触れる歌があれば幸いです。

ブログランキングに参加してます。よろしければクリックお願いいたします。

にほんブログ村 ポエムブログ 短歌へ
スポンサーリンク

津軽百首(冬のハタハタ)

ごうごうと 地吹雪の中 聞こえるは 「ハタハタ来たぞ」と 告げる遠雷

ごうごうと じふぶきのなか きこえるは 「ハタハタきたぞ」と つげるえんらい

地吹雪の風がごうごうと吹き荒れる中、遠くで雷の音が聞こえる。
この雷は本格的な冬の始まりで、そして、ハタハタ(鰰)がきたことを告げているのだろう。

幼き頃、
祖父が言っていた言葉。

「おろー、雷鳴ったはなんで、ハダハダ取れでるべな」

外は猛吹雪。
その風の中で、
夏のそれとは違う雷の音。

「季節変わる時だっきゃ、雷なるもんだはんでな」

スポンサーリンク

祖父の言葉通り、
その数日後、ハタハタが食卓に上がる。

卵たっぷりのハタハタは、
シンプルな醤油煮。

あとは、
ストーブの上にアルミホイルを敷いて、
その上で塩焼き。

味はシンプルな白身魚の味で、
身はほろほろ柔らかく、
でも、ちょっとだけ硬い骨。

冬の雷がなるたびに思い出す、
今は亡き祖父との懐かしい時間。


スポンサーリンク

あなたに寄り添う心の短歌は、日常のふとした瞬間を短歌でつづっています。

人の心、季節の移り変わり、花の色、風の音。それは気にしなければ気にならずに済むくらいの小さな出来事。

その小さな出来事を忘れないように、思い出せるように、短歌を作ります。あなたの心の琴線に触れる歌があれば幸いです。

ブログランキングに参加してます。よろしければクリックお願いいたします。

にほんブログ村 ポエムブログ 短歌へ
スポンサーリンク

津軽百首(りんごの花が咲く頃)

真白なる りんごの花は お岩木の 山裾に咲く 市松模様

ましろなる りんごのはなは おいわきの やますそにさく いちまつもよう

岩木山の麓は、白と緑の市松模様のように、りんごの花と青葉に包まれている。

りんごの花の色は白。
青葉はまだ少し柔らかい。

花と葉が同時だからこそ、
たくさんの花とたくさんの葉が、
まるで市松模様のようになる。

スポンサーリンク

岩木山は、
まるで衣替えするかのように、
新しい衣を纏う。

今年は台風が少なく、
豊作でありますように。


スポンサーリンク

あなたに寄り添う心の短歌は、日常のふとした瞬間を短歌でつづっています。

人の心、季節の移り変わり、花の色、風の音。それは気にしなければ気にならずに済むくらいの小さな出来事。

その小さな出来事を忘れないように、思い出せるように、短歌を作ります。あなたの心の琴線に触れる歌があれば幸いです。

ブログランキングに参加してます。よろしければクリックお願いいたします。

にほんブログ村 ポエムブログ 短歌へ
スポンサーリンク