津軽百首(北の果て竜飛崎)

龍が飛ぶ 津軽の果ての 竜飛崎 風は誘う 終わりなき路

りゅうがとぶ つがるのはての たっぴざき かぜはいざなう おわりなきみち

龍が飛ぶという名のごとく、一年中、風が強い竜飛崎。
この先は津軽海峡があり、そして北海道がある。路は途絶えたかのように見えても、風はその先へと誘ってくれるだろう。

津軽の果て、竜飛崎。
一年中、風が吹き荒れ、
その風はまるで龍が飛んでいるかのよう。

目の前の津軽海峡をはさんで、
晴れていれば北海道がはっきりと見えます。

龍飛崎が有名なのは、
石川さゆりの「津軽海峡・冬景色」の歌詞と、
太宰治の「津軽」に登場しているからでしょう。

今ならば青函トンネルがあるものの、
その前は青函連絡船が唯一の交通手段。

スポンサーリンク

津軽の果てと呼ぶにふさわしいもの寂しさは、
以前より発展した今でも健在です。

最近、改めて太宰治の「津軽」を読んだのですが、
津軽に住んで読んだ当時よりも、
東京に住んでいる今の方が、
もっともっと理解度が増したような気がします。

おかげさまで、津軽百首もこの歌で30首となりました。

まだまだ先は長いですが、
焦らずにじっくりと詠んでいきたいと思います。

※今までの短歌は、「短歌一覧」のページから全て読むことができます。


スポンサーリンク

あなたに寄り添う心の短歌は、日常のふとした瞬間を短歌でつづっています。

人の心、季節の移り変わり、花の色、風の音。それは気にしなければ気にならずに済むくらいの小さな出来事。

その小さな出来事を忘れないように、思い出せるように、短歌を作ります。あなたの心の琴線に触れる歌があれば幸いです。

ブログランキングに参加してます。よろしければクリックお願いいたします。

にほんブログ村 ポエムブログ 短歌へ
スポンサーリンク

未来への地図

ワクワクと トキメキだけを 描き込んだ 未来への地図 無くさぬように

わくわくと ときめきだけを かきこんだ みらいへのちず なくさぬように

幼い頃、ワクワクしながら考えた未来への地図。
道先は変わったけれど、せめて、その地図を描いた気持ちを忘れないように。

幼い頃は、
誰もがみんなワクワクしてた。

明日が来るのが楽しみだったし、
落ち込んでも立ち直りが早かった。

大きくなったら何になりたいかを、
みんなで集まって励ましあったり。

スポンサーリンク

くだらないことで大笑いしたり。

その頃の心の栄養が、
大人になった今、
思いもよらない場所で助けになっている。

あの頃とは違う道を進んでいるけれど、
せめて、
あの頃の気持ちは忘れないようにしたい。

そして、
今はまだ幼い娘の語る夢が、
どうかどうか叶いますように。


スポンサーリンク

あなたに寄り添う心の短歌は、日常のふとした瞬間を短歌でつづっています。

人の心、季節の移り変わり、花の色、風の音。それは気にしなければ気にならずに済むくらいの小さな出来事。

その小さな出来事を忘れないように、思い出せるように、短歌を作ります。あなたの心の琴線に触れる歌があれば幸いです。

ブログランキングに参加してます。よろしければクリックお願いいたします。

にほんブログ村 ポエムブログ 短歌へ
スポンサーリンク

津軽百首(空き家の郵便受け)

今はもう 便りなくとも 赤錆を 纏い待つのか 郵便受けよ

いまはもう たよりなくとも あかさびを まといまつのか ゆうびんうけよ

空き家となった玄関にある古い郵便受けよ。
もう表札も外され主人はいないというのに、錆を纏いながらも、未だ便りが来るのを待っているのだろうか。

以前の短歌でも書いたように、
帰省するたびに空き家が増えています。

農業だけで生活するには、
未だに厳しいのが現実で。

同じ津軽でも栄えている、
青森や弘前や五所川原に家を構える人が増えて。

そうなると、
表札が外されて空き家となる。

スポンサーリンク

私がまだ小さかった頃は、
もっともっと活気があって、
どこでもみんなの笑い声がしていた。

その声が聞こえていた家も、
りんご畑も、
学校すらも、
今はひっそりと佇んでいるだけ。

この歌は、
主人が家を離れ表札をはずされた郵便受けが、
それでも便りが来るのを待っているさまを詠んでみました。

いずれこの空き家も取り壊されて、
ただの更地となり、
風が草花を揺らす場所となるのでしょう。

ならばせめて、
今はあの頃を思い出し、
せめてその想いが家人の元に届くよう祈るのみです。


スポンサーリンク

あなたに寄り添う心の短歌は、日常のふとした瞬間を短歌でつづっています。

人の心、季節の移り変わり、花の色、風の音。それは気にしなければ気にならずに済むくらいの小さな出来事。

その小さな出来事を忘れないように、思い出せるように、短歌を作ります。あなたの心の琴線に触れる歌があれば幸いです。

ブログランキングに参加してます。よろしければクリックお願いいたします。

にほんブログ村 ポエムブログ 短歌へ
スポンサーリンク

寝る前のおまじない

「ありがとう」「おつかれさま」と「大好き」を伝え最後に「おやすみなさい」

ありがとう おつかれさまと だいすきを つたえさいごに おやすみなさい

娘を寝かしつける時、必ず「ありがとう」「おつかれさま」「だいすき」と伝えて、最後に「おやすみなさい」で夢の世界へ。

うれしいときも、
かなしいときも。

ケンカした日も、
楽しかった日も。

心がけているのは、
1日の最後は必ず笑顔で眠ること。

どんなにイライラしていても、
どんなに怒っていたとしても。

眠る前は、必ず、抱きしめて伝える言葉。

楽しい夢が見られるように、
明日も元気でいられるように、
そんな願いを込めながら。

「今日もいっぱい頑張ったね、おつかれさま」
「いつも優しくしてくれて、ありがとうね」
「明日もいっぱい遊ぼうね、大好きだよ」

スポンサーリンク

おまじないのように、毎日、毎日。

その言葉を聞くと、目を閉じたままにっこりと微笑む娘。
「まま、ありがとう、おやすみなさい」と
言い終わるかどうかで夢の世界へ。

眠りに落ちた娘を撫でて、
今日の出来事をしばし振り返る。

イライラしたこともあったし、
困ったこともあったけど。

笑顔でお話ししてくれて、
いっぱい抱きしめてくれて、
ままごとのお料理やお手紙をプレゼントしてくれた。

嫌なことよりも、
良いことを思い出す方が幸せだ。

どうかどうか、楽しい夢を見れますように。
おやすみなさい。


スポンサーリンク

あなたに寄り添う心の短歌は、日常のふとした瞬間を短歌でつづっています。

人の心、季節の移り変わり、花の色、風の音。それは気にしなければ気にならずに済むくらいの小さな出来事。

その小さな出来事を忘れないように、思い出せるように、短歌を作ります。あなたの心の琴線に触れる歌があれば幸いです。

ブログランキングに参加してます。よろしければクリックお願いいたします。

にほんブログ村 ポエムブログ 短歌へ
スポンサーリンク

津軽百首(祖父の教え)

「風止めば 雨が降るぞ」と 言ふ祖父の 声は消えゆく 津軽の空に

かぜやめば あめがふるぞと いうそふの こえはきえゆく つがるのそらに

農作業の合間、ポツリと「風が止むと雨が降るんだよ」と教えてくれた祖父。その声をかき消すかのように、風が止んだ空から雨が降り始める。

農作業は、天候に左右される。

雨が降る前に終わらせなければいけない作業、
雨が降った後にやらなければいけない作業。

それぞれを見極めながら、
今、その作物にとって必要なことをする。

雨が降りそうな、
でも、まだ降るほどでもないような空。

スポンサーリンク

そんなとき、祖父がつぶやく。

「風がやめば、雨が降る。だから、もうそろそろ片付けて帰ろう。」

その言葉通り、
風が止んだと思ったらポツリポツリと雨が。

本降りになる前に片付けて帰ろう。
そして、雨の恵みに感謝しながら、明日の作業を考えよう。


スポンサーリンク

あなたに寄り添う心の短歌は、日常のふとした瞬間を短歌でつづっています。

人の心、季節の移り変わり、花の色、風の音。それは気にしなければ気にならずに済むくらいの小さな出来事。

その小さな出来事を忘れないように、思い出せるように、短歌を作ります。あなたの心の琴線に触れる歌があれば幸いです。

ブログランキングに参加してます。よろしければクリックお願いいたします。

にほんブログ村 ポエムブログ 短歌へ
スポンサーリンク