道路に咲く花

ひび割れた 道路にひそりと 咲く花よ 定めと知りて ここで芽吹くか

ひびわれた どうろにひそりと さくはなよ さだめとしりて ここでめぶくか

ひび割れた道路の隙間に、ひっそりと咲いている花よ。
ここで咲くのが定めだと知っていたからこそ、芽吹いたのだろうか。

わずかな水と、
わずかな土さえあれば、
花を咲かせるには十分。

それが定めだと知っているからこそ、
アスファルトの隙間から芽吹いたのだろうか。

もう少し行けば、
柔らかな土も豊富な水もあるだろうに。

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種が落ちた場所が運命の場所なのか、
運命の場所だから種が落ちたのか。

人もまた同じ。

生まれた環境を運命と思えるか、
運命だから生まれたと考えるか。

その答えはきっと、
この花が知っているのだろう。


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津軽百首(田植えを終えて)

津軽野の 田植え終わりて 吹く風は 麦わら揺らし 夏を呼び込む

つがるのの たうえおわりて ふくかぜは むぎわらゆらし なつをよびこむ

田植えの時期が終わると、津軽平野は緑一面になる。
吹き抜ける風は、農作業をする人の麦わら帽子を揺らしながら、夏を呼びに行っているのだろう。

長い長い冬が終わり、
春の暖かさが当たり前の日々が続くようになると、
津軽は田植えの時期に入る。

隣近所が力を合わせ、
当番制でそれぞれの田んぼに苗を植えていく。

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田植えが終われば、
津軽平野は絨毯を敷いたような緑一色になる。

その緑の絨毯がさやさやと風にそよぎ、
苗の成長とともに、それはまるで波のように大きくなっていく。

農作業をする人々の麦わら帽子を揺らす風は、
涼をもたらしながら、
きっと夏を迎えに行っているのだろう。


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切なさを知る子

過ぎ去りし 戻らぬ時の 切なさを アルバムで知る 幼き我が子

すぎさりし もどらぬときの せつなさを あるばむでしる おさなきわがこ

幼子が、赤子の頃の写真をみて当時に想いを馳せ、抱っこしてほしいと駆け寄ってくる。その感情こそが、切なさなのだろう。

娘が4歳になり、早半年。
めまぐるしい成長は、今も続いていて。

いつのまにか、
ひらがなが読めるようになり、
いつのまにか、
お手紙が書けるようになり、
いつのまにか、
いろんな感情を覚えて。

最近は、
もっと小さかった頃のアルバムを持ってきては、
お膝の上に座って、あれこれ聞く。

でも、
その話の最中にふと私の方を見て、
「なんだか寂しくなっちゃった」と涙目に。

あの頃よりも随分と大きくなったけど、
それでも、大人よりはまだまだ小さな背中。

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ゆっくりと撫でながら、
「大丈夫だよ」と抱きしめて。

ああ、きっと。

この子は今、
「切なさ」という感情を知ったのだろう。

過ぎ去った時間は二度と戻らないこと、
だからこそ、時間は尊いものだということを。
言葉ではなく、感覚で知ったのだろう。

いろんな感情を覚えて、
いろんなことに気づかせてくれる我が子。

どうかどうか、
これからも健やかでありますように。


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梅雨寒の空に

梅雨寒の 空は初秋に 見えるとも 紫陽花ありて 初夏と知るなり

つゆざむの そらはしょしゅうに みえるとも あじさいありて しょかとしるなり

梅雨の合間の肌寒い日。鉛色の空はまるで初秋を感じさせるが、道端に咲いている紫陽花のおかげで、今はまだ梅雨なのだと感じられる。

空の色だけを見るなら、
吹き抜ける風の冷たさだけを感じるなら、
この梅雨寒はまるで初秋そのもの。

ただ、初秋の世界にはないものが1つ。

それが、紫陽花。

この紫陽花があるからこそ、
今は初秋ではなく、梅雨の最中なのだと思い知らされる。

そう、空だけでは、
風の冷たさだけでは、
季節はあいまいになってしまう。

でも、紫陽花はこの時期にしか咲けない。

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だからこそ、季節を間違うことなどない。
間違えるはずがないのである。


今年の天気はとても不安定ですね。

五月の半ばだというのに35度近く上がったかと思えば、六月の半ばだというのに18度くらいまで下がる日もあり。

体調管理が難しい日々ではありますが、来たる夏に備えて、体を少しずつ慣らしていこうと思う今日この頃です。

皆様もお身体をご自愛くださいますように。


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