津軽百首(消し炭の山)

消し炭のやうに色無き山はただ 諸人拒み 陽光を待つ

けしずみのようにいろなき やまはただ もろびとこばみ ようこうをまつ

消し炭のように灰色の世界に染まる山は、様々な人を拒みながらただ陽光を待っている。

雪が降り続ける空は、
どこまでも鉛色で重苦しい。

その鉛色の空から降る雪は、
津軽の里をモノトーンの世界に変える。

それはまるで、
水墨画のようでもあり、
消し炭のようでもあり。

スポンサーリンク

人を拒んでいるかのように、
ただただ静けさの中にある。

待ち望むのは陽光。

暖かな光は、
雪深い森の奥まで届くはず。

この色無き世界に迷わぬよう、
諸人を拒みながら、
ただ陽光を待つ。


スポンサーリンク

あなたに寄り添う心の短歌は、日常のふとした瞬間を短歌でつづっています。

人の心、季節の移り変わり、花の色、風の音。それは気にしなければ気にならずに済むくらいの小さな出来事。

その小さな出来事を忘れないように、思い出せるように、短歌を作ります。あなたの心の琴線に触れる歌があれば幸いです。

ブログランキングに参加してます。よろしければクリックお願いいたします。

にほんブログ村 ポエムブログ 短歌へ
スポンサーリンク

津軽百首(戒めの言葉)

人ならば 人の世界を 歩むべし 畜生道に 落ちてはならぬ

ひとならば ひとのせかいを あゆむべし ちくしょうどうに おちてはならぬ

人として生まれたのであれば、人としての道を踏み外さぬように生きるべきである。

青森には、
実にさまざまな神社仏閣があります。

東京に来てまず思ったのは、
神社もお寺もなんだか親しみやすいこと。
それは、参拝客が多いからかもしれません。

ほんわかして、
優しく包み込んでくれる感じが、
すごくすごく好きです。

青森にある神社仏閣は、
大体が静けさに包まれていて、
ピシッとした厳しさがあります。

なんというか、
軽い気持ちや浮ついた気持ちで行くと、
冷や水を浴びせられるような雰囲気といいますか…。

神様も仏様も信じる家庭が多い津軽。
昔は、神棚も仏壇もある家がほとんどでした。

今日の短歌は、
両親や祖父母をはじめ、
神主さんや和尚さん、近所のおじいちゃんたちに、
いつも言われていた言葉です。

以下の言葉は、
私の心の中にいつも戒めの言葉としてあるものです。

人間として、
恥ずかしくない生き方をしなさい。

自分の欲に目がくらんで、
人をだましたり、
人を傷つけたり、
物を盗んだりするのは、
畜生(獣たち)がすること。

そんなことをしていると、
人間として生きていられなくなる。

生きているときはよくても、
地獄に行くことになる。

人から盗んだりだまして奪ったお金や物は、
必ず不幸をつれてくる。

スポンサーリンク

自分に不幸がこなかったとしても、
自分の大切な人たちにふりかかる。

それは、
だまされたり奪われたりした人の怨念が、
染みついて消えずに残っているから。

だから、いつでも、
誇れる生き方をしなさい。

人に優しくしなさい。
物を大切にしなさい。
感謝の気持ちを常に持ちなさい。

貧乏は恥ではない。
心が貧しいことが恥なのだ。

どんなに苦しくても辛くても、
人としての心をなくしてはいけない。
人としての道を踏み外してはいけない。

それが、人として生まれた意味。
だから辛い時こそ負けないで踏ん張るとき。

道を踏み外さなければ、
必ず道は開けるもの。

辛さや苦しさを乗り越えれば、
必ず人として成長する。

人生は修行の一部。
どんなことにも意味がある。

その意味から、
逃げたり目をそらしたりしてはいけない。

いくら逃げても、
乗り越えるまでは何度でも繰り返される。

むしろ、
逃げるたびに難易度が増していく。

人の命は有限である。

だからこそ、
己の時間と向き合い、
日々を大切に生きるべし。


スポンサーリンク

あなたに寄り添う心の短歌は、日常のふとした瞬間を短歌でつづっています。

人の心、季節の移り変わり、花の色、風の音。それは気にしなければ気にならずに済むくらいの小さな出来事。

その小さな出来事を忘れないように、思い出せるように、短歌を作ります。あなたの心の琴線に触れる歌があれば幸いです。

ブログランキングに参加してます。よろしければクリックお願いいたします。

にほんブログ村 ポエムブログ 短歌へ
スポンサーリンク

津軽百首(金色の世界)

沈みゆく 夕陽に光る 枯れ尾花 金色に染む 津軽の里よ

しずみゆく ゆうひにひかる かれおばな こんじきにしむ つがるのさとよ

沈みゆく夕陽を受けて、ススキがキラキラと輝いている。津軽平野はまるで、金色に染まったかのようだ。

ただただ広い大地。

どこまでも平坦で、
どこまでも広がる津軽平野。

秋の夕陽は、
一面のススキを
いっせいに輝かせる。

スポンサーリンク

ふわふわに、キラキラに。

その金色の光が、
広大な大地に、
ゆっくりと染みこんでいく。

金色に染まる世界。

どの宝石よりも美しい、
幻想的な世界。


スポンサーリンク

あなたに寄り添う心の短歌は、日常のふとした瞬間を短歌でつづっています。

人の心、季節の移り変わり、花の色、風の音。それは気にしなければ気にならずに済むくらいの小さな出来事。

その小さな出来事を忘れないように、思い出せるように、短歌を作ります。あなたの心の琴線に触れる歌があれば幸いです。

ブログランキングに参加してます。よろしければクリックお願いいたします。

にほんブログ村 ポエムブログ 短歌へ
スポンサーリンク

津軽百首(雪のわだち)

降る雪に 先まで見えぬ 白き道 わだち頼りに 前へと進む

ふるゆきに さきまでみえぬ しろきみち わだちたよりに まえへとすすむ

雪が降り続け、先まで見えない時は、わだちを頼りに前へと進んでいく。

しんしんと、
ただただ降る雪。

あまりにも雪がはげしく降るときは、
向こうの景色も雪に埋もれて、
ただただ白く冷たい世界。

そんなときは、
わだちを頼りに歩く。

車が通った後は、
そのタイヤの摩擦熱と、
車の重さで雪も圧縮状態に。

スポンサーリンク

たとえ真っ白だったとしても、
そこに凹凸がある限り、
影がある分、道がわかる。

雪国には、
雪国の生活の知恵があり。

それは、
誰に教えられるでもなく、
自然と身についてゆく。

きっと、
雪の中に見え隠れする、
先人たちが教えてくれるのだろう。


スポンサーリンク

あなたに寄り添う心の短歌は、日常のふとした瞬間を短歌でつづっています。

人の心、季節の移り変わり、花の色、風の音。それは気にしなければ気にならずに済むくらいの小さな出来事。

その小さな出来事を忘れないように、思い出せるように、短歌を作ります。あなたの心の琴線に触れる歌があれば幸いです。

ブログランキングに参加してます。よろしければクリックお願いいたします。

にほんブログ村 ポエムブログ 短歌へ
スポンサーリンク

津軽百首(冬の帰り道)

長靴サ ついだ雪コば ほろごって 家サ入って ぬぐだまりてな

ながくつさ ついだゆきこば ほろごって いえさはいって ぬぐだまりてな

長靴についた雪を払い落として、家に入って温まりたいなあ。

冬の帰り道は、
長靴の底で固まった雪との格闘。

サクサクとした雪ならいいけれど、
ふわふわの雪は重みでギュッと固まってしまい、
これがなかなか取れません。

雪が付いたままだと、
玄関が雪解けの水で濡れたまま。

だからこそ、
家の中に入る前に、
雪をなんとか払い落として、
新聞紙を重ねた上に、
長靴を置くのです。

スポンサーリンク

手も足もほっぺも耳まで冷え切った体は、
いつのまにか寒さになれて、
あまり寒さを感じなくなるものなのですが。

それが、
ストーブで暖められた室内に入ることで、
麻痺していた感覚を取り戻すかのように、
一気に寒気がこみ上げてきます。

ストーブに当たりながら、
じんわりゆっくりと温まると、
心まで温まってなんだか眠くなる。

寒さと暖かさに幸せを感じる、
そんな冬の一日。


スポンサーリンク

あなたに寄り添う心の短歌は、日常のふとした瞬間を短歌でつづっています。

人の心、季節の移り変わり、花の色、風の音。それは気にしなければ気にならずに済むくらいの小さな出来事。

その小さな出来事を忘れないように、思い出せるように、短歌を作ります。あなたの心の琴線に触れる歌があれば幸いです。

ブログランキングに参加してます。よろしければクリックお願いいたします。

にほんブログ村 ポエムブログ 短歌へ
スポンサーリンク