津軽百首(田植えが終わる頃)

田植え後に 藁龍ひそむ 津軽路 清め祓いて 豊穣祈る

たうえごに わらりゅうひそむ つがるみち きよめはらいて ほうじょういのる

津軽の田植えが終わると、ムシと呼ばれる藁で作られた龍が橋の上や木の上に飾られます。
このムシを燃やし、農作物が害虫被害にあわないよう五穀豊穣を祈ります。

津軽平野に広がる水田に、
まだ小さな稲の葉が揺れる頃。

虫送りというお祭りが開催されます。

ムシと呼ばれる藁で作られた龍が、
橋の上や木の上に飾られ始めるのです。

これは、守り神ではなく、
農作物に仇名す害虫に見立てたもの。

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このムシを燃やすことで、
農作物に病害虫がつかないように、
五穀豊穣になるように祈るのです。

もうもうと白い煙を上げて燃えるムシ。
ひらひらと落ちる灰は穢れを落とすとも言われています。

幼き頃から毎年みていた風景。
今も、そして、これからも続くであろう風景。

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津軽百首(春の告げ人)

雪残る 津軽の畦に ふきのとう 萌黄色した 春の告げ人

ゆきのこる つがるのあぜに ふきのとう もえぎいろした はるのつげびと

厳しい津軽の冬も終わりに近づき、あちこちで雪が解け始めます。
久しぶりに陽の目を見た枯れ葉の間には、萌黄色のふきのとうが春の訪れを告げています。

厳しく長い津軽の冬。

それでも、
その冬が永遠と続くことはない。

全てが真白の世界となり、
寒さに凍えていたとしても、
必ず終わりが来る。

長い長い冬が終わりを告げるころ、
田んぼの畦道には、
萌黄色のふきのとうが芽吹き始める。

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白と茶色の世界から、
少しずつ彩りのある世界へ。

そう、
春が来たことを告げてくれる。

小さくも力強いその姿に、
これから訪れる花の季節を想い、
冬で疲れ切った心身が癒されるのである。

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津軽百首(津軽の冬に)

しゅんしゅんと 薬缶息まく 奥津軽 しんしん積もる 雪は重なり

しゅんしゅんと やかんいきまく おくつがる しんしんつもる ゆきはかさなり

厳しく雪深い奥津軽の冬。降り続ける雪は全ての音を吸い込んで、ただストーブの上の薬缶の蒸気音だけが響いている。

津軽百首(津軽の冬に・津軽弁)もぜひ読んでいただけたら幸いです。

奥津軽の冬は厳しい。

晴れの日は数えるほどしかなく、
重苦しい鉛色の空に、
しんしんと、
そして暴風とともに吹き荒れる雪。

冬になると閉鎖的になり、
道行く人も言葉少なく、
みな家路を急ぐ。

そんな厳しい外とは対照的に、
家の中は暖かい。

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石油ストーブの上には、
しゅんしゅんと蒸気を上げる薬缶。

その蒸気が湿った暖かさになり、
冷え切った体をじんわり温めてくれる。

しんしんと降り積もる雪は、
そのすべての音を吸い込んで静寂をもたらす。

青白い世界の中で、
ただしゅんしゅんと薬缶の音だけが響く。

厳しくも温かい、
奥津軽の冬。

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津軽百首(藁焼きの頃)

藁焼きの 煙たなびく 津軽野は 母なる岩木の 山河に護られ

わらやきの けむりたなびく つがるのは ははなるいわきの さんがにまもられ

藁焼きの煙が津軽平野一面を包み込んで幻想的な世界にも見えるこの時期。
豊かな実りを与えてくれる津軽平野は、母なる山である岩木山と岩木川に護られています。

農家の秋は忙しい。

様々な秋の実りが重なるので、
本当に忙しい。

しかし、
豊かな実りを前にして、嬉しくないわけがない。

その証拠に、
収穫する人々の声は大きく朗らか。
澄み切った空に、笑い声とラジオの音が響き渡る。

夕暮れ時になり、
一仕事を終えて皆が帰り支度を始めるころ。

藁焼きの煙が夕暮れ色に染まり、
あたりはぼんやりと幻想的な色合いになる。

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風は涼しさを通り過ぎ肌寒くなり、
あっという間に陽が落ちるのを知っている分、
最後の方は駆け足で急ぐ。

そうして、家に戻り、
今度は蛍光灯の下で出荷作業。

故郷の津軽平野は、
岩木山と岩木川に護られている場所。

今は遠く離れているけれど、
この時期になると、あの光景を思い出す。

大好きな、大好きな秋。
秋の恵みを授けてくださり、ありがとう。

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