暴風に 波は荒ぶり怒れども 風去り行かば 凪に戻りて
ぼうふうに なみはあらぶり いかれども かぜさりゆかば なぎにもどりて
暴風にさらされれば波も怒りのままに荒れ狂うけれども、その風が去っていけばまた穏やかな海に戻るでしょう。

人の心というものは、
何もなければ、穏やかなものなのでしょう。
心が荒ぶるときは、
必ず何かきっかけがあるもの。
それは、
暴風にさらされた波が、
荒波となって岩に打ち付けるように。
普段は穏やかな人であっても、
抑えきれないほどの怒りに我を忘れてしまうことでしょう。
でも、荒波は、
風が過ぎ去ればまた穏やかな波へと戻ります。
ただ、人の心はそうはいきません。
一度わきあがった怒りの感情は、
たとえその出来事が過ぎ去ったとしても、
安易に消えてはくれないもの。
スポンサーリンク
それでも、
時が過ぎ、誰かのやさしさにふれ、
自然と共に過ごすうちに、
心はまた穏やかな時に近づくもの。
ただ、そこは前と同じ場所ではなく、
深く負った傷は残ったまま見つけた場所。
そう考えると、
人の心は同じ場所にとどまるということはないのだと、
改めて思うのです。
新生活が始まり、
いろいろなことがあると思いますが。
どんな失敗をしても、
どんなに後悔しても、
どんなに傷ついたとしても。
その傷は消えることはないけれど、
いつか癒えていくものだと思うことができれば、
少し心が楽になるかもしれません。
今は春。
いろいろなところで芽吹き、
葉は茂り、花が咲いています。
その命の息吹を感じられることができれば、
あなたの心もきっと、癒されていくことでしょう。