朽ちるほど 首を垂れる 向日葵や 秋風に揺れ 静かに眠れ
くちるほど こうべをたれる ひまわりや あきかぜにゆれ しずかにねむれ
夏の暑さが懐かしく感じる頃には、向日葵の花はもう枯れて眠るように秋風に揺れている。

夏の強い日差しに、
まっすぐと立ち向かう向日葵。
葉は大きく張り、
花も大きく鮮やかに咲く。
それはまさに、
人生を謳歌するかのように、
溌剌としたさわやかさ。
そして、
いつしか季節が変わり。
暑さは遠くなり、
寒さが近くなる。
あの向日葵は、
枯れていく。
水分のない葉は、
カラカラと秋風に揺れ。
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太陽に向かう大輪の花は、
今は大地を眺めるのみ。
でもそれは、
悲しいわけじゃない。
たくさんの種が、
土に落ちたから。
冬の寒さを越え、
春が来たら芽吹くように、
ずっと見守っていたいから。
枯れた向日葵は、
慈しみにあふれている。
年老いたものだけが持つ、
清らかで美しい真実の姿。
どうか、
秋の日差しに包まれて、
安らかな眠りを。