津軽百首(春の訪れの2首)

田園の 土は乾きて 水を待つ 岩木の神の 御手に抱かれ

でんえんの つちはかわきて みずをまつ いわきのかみの みてにいだかれ

春日和 薄水色の 空に浮く まだ雪残る 津軽の富士よ

はるびより うすみずいろの そらにうく まだゆきのこる つがるのふじよ

ご無沙汰しております。
4月の中旬から、体調を崩し気味で、
なかなか更新できなかったのですが、
ようやっと回復しました!

ということで、父から送られてきた写真より、
津軽に春が来たという二首を詠みました。

これは、我が家の畑から見える岩木山の写真で、
父が農作業中に撮影したもの。

手前が田んぼで、
一本だけ写っている枝は、
ブドウの剪定をしたものが入り込んだのでしょう。

あぜ道の萌黄色は、
数えきれないほどのフキノトウの色。

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幼いころか見ていた風景。
ただ、あぜ道の向こうの盛り土は以前はリンゴ畑だったもの。
そこはちょうど、母が手間取りとして働いていた場所。

私が幼いころは、
あちこちの畑からラジオが流れていて、
楽しい笑い声やいろんな作業の音があふれていました。

今はひっそりと、
まるで最初からそうだったように、
ただ春を告げる風だけが通り過ぎてゆく。

それでも、
この写真を見るだけで、
土のにおいや田んぼの水の流れ、
風に揺れるフキノトウやたんぽぽ、
作業の合間に食べるお菓子やジュース、
そして、みんなの笑顔。

まだ雪残る卯月の岩木山は、
まるですべてを知っているかのように、
そんな思い出もすべて包み込むかのように、
今日も津軽平野を見守っている。

・・・ということで、
また積極的に短歌を詠んでいきますので、
ぜひお時間のある時にまた見ていただけたら幸いです。


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津軽百首(春の風が吹く日)

明けるほど 色を重ねて 吹く風や 里を渡りて 春を届けし

あけるほど いろをかさねて ふくかぜや さとをわたりて はるをとどけし

夜が明けてから吹く風は、どんどん色を重ねて鮮やかにしていき、いろいろな里に春を届けていく。

吹く風は、
いつのまにか冷たさが和らいで。

夜が明けてからは、
風が吹くたびに、
色が重ねられていくかのよう。

それは水彩画のように、
淡く薄く塗り重ねられていて。

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何度も何度も通り過ぎながら、
春の景色にしていく。

一つの里が終われば、
また次の里へと。

里を渡りながら、
次々と春を届けていく。


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津軽百首(桜と五能線)

五能線 桜に包まれ いざ行かむ 太宰治の 生まれし里へ

ごのうせん さくらにつつまれ いざゆかむ だざいおさむの うまれしさとへ

桜に包まれた五能線に乗り、さあ行こう、太宰治の生まれた金木町へ。

太宰治の生誕の地である、
青森県五所川原市金木町(旧・金木町)。

金木といえば、
私の祖父の実家がある場所。

青森県の桜の名所は多々ありますが、
桜予報として発表されるのが、三つの名所。

青森の合浦公園。
弘前の弘前公園。
金木の芦野公園。

私は鶴田町出身なので、
距離的には弘前公園も芦野公園も同じくらい。

一番早く満開になるのが弘前公園の桜。
そこから1~2週間してから、
芦野公園の桜が満開になります。

そして、その金木まで走る列車が五能線。

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夏は風鈴列車、
秋は鈴虫列車、
冬はストーブ列車と、
四季折々の名物ともなっています。

鶴田町の駅から乗ったり、
五所川原までバスで移動してから乗ったり。

幼心に、電車の旅はとてもワクワクして、
今でも車窓からの満開の桜が目に焼き付いています。

こんにゃくおでん、綿あめ、バナナチョコ。
シャコにトゲクリガニにお土産のおもちゃ。

ずっと流れている有線の音楽に、
カラオケ大会を見ながら、みんな笑顔で。

今はもう遠い思い出となりましたが、
それでも、目を閉じるとあの楽しかった記憶がよみがえります。

四季の中でも、春は特別な季節ですよね。

大変な時代ではありますが、
どうか春の楽しさや喜びを感じられますように。


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津軽百首(冬の夕暮れ)

夕されば 里はいよいよ 冴えわたり 纁の光に 染まりゆくかな

ゆうされば さとはいよいよ さえわたり そひのひかりに そまりゆくかな

夕暮れになると、里はますます冷えて澄み切り、 纁 (明るい赤橙色)の光に染まっていくのだなぁ。

冬の夕暮れは早い。

津軽の冬に晴れ間は少なく、
その少ない晴れた日の夕暮れは、
とても珍しいからこそ名残惜しい。

太陽が沈むほど、
空気は澄み切ってますます冷たさを増す。

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その清廉とした空気は、
纁色の光をどこまでも広げ、
雪も街もすべてが染まっていく。

ほんのわずかな時だからこそ、
この夕暮れがとつもなくいとおしい。

冬の津軽は実に、
様々な色に染まるのである。


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津軽百首(雪わらしの遊び)

風なくも 枝より落つる 手毬雪 わらしら遊ぶ はないちもんめ

かぜなくも えだよりおつる てまりゆき わらしらあそぶ はないちもんめ

風が吹いていないのに、枝に降り積もった雪は、まるで手毬のように丸まって落ちてくる下で、子供たちが遊んでいる。この手毬のような雪はきっと、雪わらし(雪ん子)が落としているんだろうなあ。

冬も深くなると、
木の枝に雪が降り積もる。

その雪は、
ところどころ、
風もないのに落ちてくる。

まるで手毬のように小さな雪は、
きっと雪ん子が落としているのだろう。

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子供たちが歌う「はないちもんめ」

木の上と、木の下で、
お互いの姿は見えなくても、
心はどこかつながって、
楽しく遊んでいるような。

冬を心から楽しむ子供らの姿は、
雪を纏うものの目にも愛しく映ることでしょう。


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