津軽百首(雪の降り始め)

ちらちらと 津軽平野に 降る雪や 根雪となるか 教えておくれ

ちらちらと つがるへいやに ふるゆきや ねゆきとなるか おしえておくれ

津軽平野に雪がちらちらと降り始める。この雪が根雪となって白銀の世界に染まるのか、それとも、儚く溶けて消えてしまうのか、雪よ教えておくれ。

ちらちらと降る雪。

雪の降り始めは、
突然来るわけではなく、
寒さに体が慣れた頃に来てくれる。

雪のにおい。
凛とした冷たい空気の中に、
雪特有の冷たい香り。

この雪は、根雪になるのだろうか。
それとも、儚く溶けてしまうのだろうか。

いずれ白銀の世界に染まってしまうのだけど、
その時がいつなのかを知りたいのは、人間の心理なのかもしれない。

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ということで、またまたお久しぶりの更新…。

できれば、年内に津軽百首を完成させ、
Kindle出版で無料で電子書籍を作れるらしいので、
あわよくば挑戦してみようと思い…はや11月下旬。

ほかにやることが増えてしまい、
なかなかこちらまで手が回らないのが現状です。

ですが、初志貫徹。
今年もまだ残り1か月ちょっとあるので、
なんとかできるところまで頑張ってみようと思います!


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津軽百首(津軽の大雨)

雨を吞み 荒ぶる龍よ 今一度 光の元へ 鎮まりたまえ

あめをのみ あらぶるりゅうよ いまいちど ひかりのもとへ しずまりたまえ

大雨を吞み込んだ岩木川は、まるで荒ぶる龍のよう。どうか、この厚い雲の上にある日の光を思いだし、その怒りを鎮め、また緩やかな岩木川に戻ることをただただ祈っています。

昨日、青森県津軽地方を襲った線状降水帯。

私の実家のある青森県鶴田町も、
避難指示がでました。

津軽の歴史は、治水の歴史。

もともと岩木川は荒ぶる龍に例えられるが如く、
よく氾濫をおこしていました。

先人たちが努力の末、
治水工事を行い、氾濫がおきることなくなり、
今の穏やかな岩木川になったのは、
そんなに昔の話ではありません。

ですが、この雨の量は・・・。

空から終わることなく降り続ける雨を、
ただひたすらに吞み込んだ岩木川。

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まるで昔の荒ぶる龍が目覚める如く、
その濁流が牙を向いているように見えます。

ですが、その濁流の中でも、
氾濫しないように、
なんとかもがいているようにも見えて。

だからこそ、
この雨が止むことを願うのみ。

この重苦しい雲の上には、
津軽平野を照らす太陽の光がある。

幾度となく牙を向いた荒ぶる龍にも、
柔らかく包み込む光。

きっとその光が津軽平野を照らし、
また穏やかな岩木川に戻してくれるはず。

ただただ、今は雨が止むことを、
そして、これ以上被害が増えないよう祈るばかりです。


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津軽百首(青田の風)

目を閉じて 両手広げる 我を抜く 波打つような 青田の風よ

めをとじて りょうてひろげる われをぬく なみうつような あおたのかぜよ

よく晴れた夏の午後。両手を広げた自分を通り抜けて、まるで青田を波打つように風が通り過ぎていく。

どこまでも続く青空に、
吹き抜ける強い風。

すくすくと伸びた青田は、
風を受けて波打つように揺れている。

こんな風の強い日は、
両手を広げて、
目を閉じて、
風を全身で浴びてみる。

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髪も、
服も、
まるで帆のようにはためいて。

ただただ、
風が通り抜けるのを、
心地よく感じるだけ。

それだけで、
とてつもない解放感。

夏ならではの、
自然の偉大さを感じるひととき。


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津軽百首(祖母宅のおもてなし料理)

祖母宅で まず出されるのは ねりこみと 刺身にお酒 椎茸うどん

そぼたくで まずだされるのは ねりこみと さしみにおさけ しいたけうどん

祖母の実家に親戚が集まるときは、決まって、甘いねりこみと刺身に椎茸うどん、そしてさまざまなお酒がテーブルに並んでいた。

今はもう、田舎でも少なくなったと思いますが、
昔は慶弔に関するものは家で行うものでした。

とはいえ、何十人もの人数をおもてなしするのは、
一般の家ではまず広さが足りません。

だからこそ、本家の家で親戚一同が集まり、
さまざまな催事を行ったものです。

祖母の実家はとても大きな家だったので、
親戚一同よく集まって、母やみんながたくさんの料理を出して、
私も運んだりお酌を手伝ったりしたものでした。

甘いねりこみは、
さつまいも、にんじん、ほししいたけ、さつま揚げを甘く煮て、
とろみをつけたものです。

そのねりこみと、新鮮なお刺身、様々なお酒、そして椎茸うどん。

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これらが祖母宅での基本のおもてなし料理。

これに、仕出しのお膳やオードブル、おつまみやお菓子がつき、
食べきれないものはお手伝いに来てくれた人が持ち帰ります。

子供たちは子供たち同士で集まって、
とにかくいろんなことで遊びまくり。

大人は大人の、子供は子供の世界があった時代。

季節が巡るたびに、
ふと強く懐かしく思い出される不思議な感覚。

もう数十年前のことなのに、
それでも、昨日のように思い出される瞬間。

時間というものは、意外と、
容易に行き来できるものかもしれないと思うのです。


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思い出の景色(津軽百首)

亡き友と 過ごした日々は 遠くとも 津軽の春は 今日も来たれり

なきともと すごしたひびは とおくとも つがるのはるは きょうもきたれり

今は亡き友と過ごした懐かしい日々は、昨日のことのように思い出されるのに遠くなっていくが、あの日見た津軽の春の景色は、今日も変わらずあり続ける。

懐かしい友との思い出。

酒を酌み交わしながら、
夜通し語り合った日々。

希望に満ちた日も、
絶望に慄いた日も、
いつでも友はいた。

あれから数十年。

今はもう、
友はいない。

常春の国へ、
一足先に旅に出たようだ。

友よ。

同じ津軽に生まれ、
同じ時を過ごし、
津軽の地に眠る友よ。

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この春の景色を覚えているか。
林檎の花を、柳の枝を、覚えているか。

今はただ風が吹く津軽野で、
君と生きた軌跡を、
私は懐かしむ。

友よ。

また出会うその日まで、
私はこの津軽で生き続ける。

昨日の父からのメールから、
今は亡き父の友を偲び詠んだ短歌です。

父の親友であるその人は、
昨年、亡くなりました。

幼いころ、
猫のぬいぐるみとケーキをもらったことを、
今でも覚えています。

どうかどうか、
常春の国で好きな絵や写真に囲まれ、
楽しく暮らしていますように。


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