雪の儚さ

君来ずと 袖濡らしたる 霜月の ひらひら舞う雪 はかなくありて

きみこずと そでぬらしたる しもつきの ひらひらまうゆき はかなくありて

君が来ないとわかっているはずなのに、それでもあふれる涙は抑えきれずにこぼれてしまう。
その涙を袖で拭って見上げると、はかなげに雪が舞っていた。

来るはずもないとわかっているのに、終わった恋だとわかっているのに、それでもなんとなく思い出の場所に来てしまう。

あんなに笑いあって、あんなに楽しかったのに、もう遠い昔のよう。

何がいけなかったのだろう、どこですれ違ってしまったのだろうか。

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あのときああすれば、このときこうすればと考えては、それでもダメだったという結論に達してしまい、現実を受け入れるしかないと言い聞かせるより他がないこの心。

寒さからなのか、それとも、諦めからなのか、次々と溢れてくる涙を袖で拭い、ふと気がつくと、ひらひらと舞う雪。

泣いて熱を持った頬に触れては、すぐ消える雪。
今はまだ雪か涙かわからないけれど、きっと落ち着くころには、頬に触れた雪の冷たさを感じられるはず。

それまで、ここに佇んでいよう。


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人を気にする

人生は 競うものでも なかろうに なぜかうも人は 人を気にする

じんせいは きそうものでも なかろうに なぜこうもひとは ひとをきにする

人生とというのは、本来、自分だけのものだというのに、なぜ誰もかれも他人を気にするのだろうか。

人生というのは、他ならぬ自分だけのもののはずなのに、なぜここまで人の目がきになるのでしょうか気になるのだろうか。

おそらく、人の目が気になるのは人間だけ。
他の生物は、自分の事だけに真摯に集中して生きているはずです。

あなたが自信をもって行っていること、やろうとしていること、それらを批判する人の目は気にしてはならない。

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つい誰かを批判してしまうのであるのなら、その批判をする時間を少しでも自分のことを考えるべきだ。

他人のことに気を取られているほど、余裕はないはず。
こうしているうちにも、時間は過ぎているのだから。

あなたの貴重な人生の時間を、他の誰かのために費やす必要はあるのだろうか。
大切な人たちのことだけに集中すれば十分。
見ず知らずの人や理解し合えない人のために時間を割く必要はまったくないのである。

あなたの人生はあなただけのもの。
まず、今、自分に集中していこう。


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落ち葉と我が子

カサカサと 乾いた音を 響かせて 落ち葉の競争 我が子も参加

かさかさと かわいたおとを ひびかせて おちばのきょうそう わがこもさんか

木枯らしが吹きすさぶ中、乾いた音を響かせて枯れ葉が舞っていく。
その枯れ葉を追いかけるように我が子も走るさまは、まるで徒競走でもみているようだ。

秋になり、冬の訪れを告げる木枯らしが吹くころには、あれだけあった葉で路面が埋め尽くされる。
落ちたばかりの葉と違い、もうカサカサに乾燥した枯れ葉はとても軽くてもろいもの。
少しの風でも舞い上がり、同じ場所にとどまっていることがない。

そんな枯れ葉を追いかけるように走り出す我が子。
笑いながら転びながら、一生懸命触ろうと手を伸ばす。

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その刹那、また風が吹き手のひらから枯れ葉を奪い去ってしまうのだ。
それすらも楽しそうに笑う幼き我が子。

凍えるような寒空の下でも、吐く息が白くても、まるでそこだけは熱を帯びているような暖かさに満ちている。

来年の枯れ葉の頃には、どのくらい大きくなっているのかなと、肩をすくめながら見守る自分。
季節ごとに成長していく我が子を想像する幸せな時間。


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今も昔も変わらないもの

そびえ立つ ビルをすり抜け 並ぶ鳥 今も昔も 空へとはばたく

そびえたつ びるをすりぬけ ならぶとり いまもむかしも そらへとはばたく

昔と違ってビルなどが建ったというのに、今でも鳥は並んで飛んでいる。
飛ぶ鳥にとっては、ビルがあろうがなかろうが関係ないのだろう。

この数百年、いや、この数十年のうちに、驚くほど世界は変わった。
世の中はどんどん便利になり、それが当たり前になり、さらに便利になるという循環。
都会では、人間だけのための世界なのではないかと錯覚するほど。

しかし、自然はそんな人間の奢りすらも飲み込んでいるのだ。

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ビルの間をすり抜けた鳥たちは、また並んで飛んでいく。
見たこともない建物があろうとも目もくれず、ただ飛んでいく。
鳥に価値がわからないからと言われればそれまでだが、流されず本質を見ているようにも思えてならない

今も昔も、変わらないものは変わらないす。
人間だけが勝手にどんどん変わって、変えていくのだ。

環境が変わっても順応し続ける生物と、利己のために環境を変え続ける人間。
本当に進化しているのは、一体どちらなのだろう。


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雄大な自然と小さき自分

我ありと 刻みし跡も 我なしと 伝いし露も 波はつれゆく

われありと きざみしあとも われなしと つたいしつゆも なみはつれゆく

自分はここにいるんだと踏みしめてつけた足跡も、人知れず流した涙も、どちらも平等に波は連れ去って行ってくれる。

寄せては返す波。
時に激しく、時に優しく、規則的に途切れることなく続いてる。
晴れた日も雨の日も、夜明けも月明かりも、春の日も冬の日も、一度たりとも休むことのない波。

自分はここにいるんだと踏みしめた足跡すら、ゆっくりと、しかし確実に波は連れ去っていく。
そこには、悲しみも侮蔑も憐れみもない。
ただ寄せては返す、それだけのこと。その中に何があったとしても変わらないこと。

人知れずこぼした涙までも、波は連れ去ってくれる。
雄大な営みの前では、個人の悩みなどは随分と小さいものだ。

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ですが、それでいい。人はそれでいい。
小さいからこそ、悩みぬくからこそ、這い上がるからこそ、人なのだ。

すべてが雄大である必要はない。
同じように、すべてが優良である必要もない。

ただ自分が自分であることを忘れないこと。
雄大な海を目の前にしても、自分は自分だと感じられているのなら大丈夫。

小さきものは小さいなりにあがくのみ。
それでいい、いや、それがいいのだ。


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