今も昔も変わらないもの

そびえ立つ ビルをすり抜け 並ぶ鳥 今も昔も 空へとはばたく

そびえたつ びるをすりぬけ ならぶとり いまもむかしも そらへとはばたく

昔と違ってビルなどが建ったというのに、今でも鳥は並んで飛んでいる。
飛ぶ鳥にとっては、ビルがあろうがなかろうが関係ないのだろう。

この数百年、いや、この数十年のうちに、驚くほど世界は変わった。
世の中はどんどん便利になり、それが当たり前になり、さらに便利になるという循環。
都会では、人間だけのための世界なのではないかと錯覚するほど。

しかし、自然はそんな人間の奢りすらも飲み込んでいるのだ。

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ビルの間をすり抜けた鳥たちは、また並んで飛んでいく。
見たこともない建物があろうとも目もくれず、ただ飛んでいく。
鳥に価値がわからないからと言われればそれまでだが、流されず本質を見ているようにも思えてならない

今も昔も、変わらないものは変わらないす。
人間だけが勝手にどんどん変わって、変えていくのだ。

環境が変わっても順応し続ける生物と、利己のために環境を変え続ける人間。
本当に進化しているのは、一体どちらなのだろう。


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雄大な自然と小さき自分

我ありと 刻みし跡も 我なしと 伝いし露も 波はつれゆく

われありと きざみしあとも われなしと つたいしつゆも なみはつれゆく

自分はここにいるんだと踏みしめてつけた足跡も、人知れず流した涙も、どちらも平等に波は連れ去って行ってくれる。

寄せては返す波。
時に激しく、時に優しく、規則的に途切れることなく続いてる。
晴れた日も雨の日も、夜明けも月明かりも、春の日も冬の日も、一度たりとも休むことのない波。

自分はここにいるんだと踏みしめた足跡すら、ゆっくりと、しかし確実に波は連れ去っていく。
そこには、悲しみも侮蔑も憐れみもない。
ただ寄せては返す、それだけのこと。その中に何があったとしても変わらないこと。

人知れずこぼした涙までも、波は連れ去ってくれる。
雄大な営みの前では、個人の悩みなどは随分と小さいものだ。

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ですが、それでいい。人はそれでいい。
小さいからこそ、悩みぬくからこそ、這い上がるからこそ、人なのだ。

すべてが雄大である必要はない。
同じように、すべてが優良である必要もない。

ただ自分が自分であることを忘れないこと。
雄大な海を目の前にしても、自分は自分だと感じられているのなら大丈夫。

小さきものは小さいなりにあがくのみ。
それでいい、いや、それがいいのだ。


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儚い朧月

射干玉の 夜に浮かびし 朧月 わたる風にて 花と散りらむ

ぬばたまの よるにうかびし おぼろづき わたるかぜにて はなとちりらむ

静かな夜。艶のある闇夜の湖面に朧月が浮かんでいる。
そのとき、突然の風で湖面が波打ち、映っていた朧月も花のように散ってしまった。

艶のある闇を纏った夜。
静かな湖畔に映るのは、空高く淡く輝く朧月。

空と湖の境界線がどこなのかわからないくらいの闇ではあるが、湖面の月は静かに寄せる波で形が変わっていくのが見える。

全ての音が吸収されてしまうような夜。

虫の声やフクロウの泣き声や木々のざわめきはあるものの、そこにあるものは、静寂。
都会では考えられないほどの静寂。

無音ではない。
無音では、真の静寂にならない。

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なぜなら、音がないということは、寂しさも感じられないのだ。
周りの音を聞いて、その音の中で寂しさを感じられるからこそ、静寂なのである。

そして、ここは静寂に包まれている場所。

夜の闇に包まれてそんなことを考えていたら、急に風が沸き起こり、静かだった湖面が急にざわめき始め、静寂が破られる。
静かだからこそ映っていた朧月は、まるで花を散らすかのように消えてしまった。

風が止み、また静けさを取り戻した湖面には、先ほどと変わらぬ朧月。
まるで何事もなかったかのように、ただ月を映し続けている。

今までも、これからも、ずっとこうやって続いていくのだろう。

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少年の思い出

陽のひかり 浴びてあおぐは 晴れし日の 幼きおもかげ 今になりなむ

ひのひかり あびてあおぐは はれしひの おさなきおもかげ いまになりなむ

まぶしすぎる日差しに目を細めながらふと空を見れば、晴れ渡る青空。
この空を同じように見上げた幼い頃を懐かしく思うと同時に、そこから随分と時間が過ぎて今になっているのだなぁ。

泥だらけになって汗まみれになって夢中で遊んだ幼き日。
毎日が新鮮で、毎日が宝物のようにキラキラと輝き、興奮と感動に満ち溢れていた。

まぶしすぎる日差しを遮るように手をかざし、目を細めながら見上げた空。
あの頃と何も変わらないはずなのに、随分と遠く感じるようになったのはいつからだろう。

大人になったと言えば聞こえがいいが、どうしても毎日に追われる日々が続いていることに、軽い絶望すら感じてしまう。
あの自由だった気持ちは、一体、どこで手放してしまったのだろうか。

得たものも沢山ある。
限られたお小遣いの中で何を買うか真剣に悩んでいたあの頃からすれば、多少は色々買えるようにもなったし、好きなものも自分の食べたい時に食べられるようにもなった。

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あの時、あれほど憧れた大人になったのだ。
それなのに、この気持ちはなんなんだろう。

いや、私自身は何も変わっていない。
あの頃も、そして今も、自分は自分。誰かに変わったことなど一度もないのだ。

もう一度、あの探検のような毎日を過ごしてみよう。

今まで見過ごしていたお店に入ったり、新しいこと始めてみたり。
まだ、人生は終わっていない。まだ、いくらでもやり方はあるはず。

残された時間に限りがあると気づいた今、やりたいことは始めよう。

あの頃とまったく同じ感情ではないかもしれないが、きっとワクワクした日がまた過ごせるはず。
さあ、歩きだそう。


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ひな祭りで我が子を思う

煌々と 揺れるぼんぼり 桃の花 十二単の 我が子を思ふ

こうこうと ゆれるぼんぼり もものはな じゅうにひとえの わがこをおもう

雛人形や桃の花と共に飾られているぼんぼりが煌々と揺らめいている。
いつの日か、今は幼い私の娘もこのような十二単を着て嫁ぐ日が来るのだろう。

古くから伝わる幼い娘子の健やかな成長を祈る桃の節句。
豪華絢爛な雛人形のそばには、ぼんぼりの灯りがゆらめいている。

華やかな十二単を纏ったお雛様は、とても優雅で美しく見る者を魅了する。

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今はまだその意味も知らなく、ただ私のそばであどけなく笑っている我が子。
我ら両親にだけ向けられる信頼の笑顔、力いっぱい主張する泣き顔。
まだ舌足らずな言葉も、いつの間にか会話ができるようになり、さまざまな経験と思いを抱えて成長していくのだろう。

今はまだ守るべき存在ですが、ずっとずっと幼いままでいるはずもなく、いずれこの手を離れていく。
誇らしさと頼もしさと、ほんの少しの寂しさを残して旅立つ日が来るのだ。

そして、いつの日か苦楽を共にしようと思える方に出会い嫁いでいくのだろう。
まだ先のこととはいえ、いずれ来るであろうその日を、私は思わずにいられない。

どうかどうか、娘が心身ともに健やかに成長するよう、娘の将来が末永く幸せであるよう祈り続けるのみだ。


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