やうやうと 山の際から 明けぬれば 星は消えゆき 月立ち出づる
ようようと やまのきわから あけぬれば ほしはきえゆき つきたちいづる
だんだんと山際から夜が明けてくると、その明るさに星は消え、月は立ち去っていく。

ぬばたまの夜が終わろうとしている。
どこまでが空なのか、
どこからが山なのか、
曖昧な夜の世界。
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そんな曖昧な夜から、
はっきりと、空と山の境界線を記すかのように、
夜明けの光が照らし始める。
星たちはそうっと消えゆき、
月は背を向けて立ち去るよう。
新しい朝の始まりには、
いつも、夜との別れが必要である。