傘越しに 君の背中を 見やる午後 囁く声も 雨音に消ゆ
かさごしに きみのせなかを みやるごご ささやくこえも あまおとにきゆ
傘越しならば、君の背中を安心して見つめられる。
また伝えていない言葉を小さく囁いて見ても、雨音がきっとかき消してくれるから。
梅雨の空。
ただ雨音と、足音だけが、
街を埋め尽くしている。
いつもなら、
うつうつとするこの空模様。
でも、今は違う。
傘越しなら、
君の背中を見つめられる。
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この雨なら、
きっと振り返ることもないから。
まだ、伝えていない言葉を、
伝える勇気のない言葉を、
そっとつぶやいてみる。
届くはずもないとわかっているけど、
それでも、鼓動は早くなる。
いつか。
そう、いつか。
君に伝えるときに、
私はきっと、
この雨の日のことを思い出すのでしょう。
初めてあなたに、
「好き」とつぶやいた日のことを。