雨の静けさ

雑踏の ざわめき消すは 差す傘に 落ちる雨音 ぽつぽつひびく

ざっとうの ざわめきけすは さすかさに おちるあまおと ぽつぽつひびく

いつもは騒がしい雑踏も、傘に落ちる雨音で消されていくようだ。

いつもどこか忙し気で騒がしい街並み。

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朝から降り続いている雨のおかげで、みなさらに足早に家路を急ぐ。

その雑踏が、いつもよりも気にならないのは、おそらくこの傘に落ちる雨音にかき消されているのだろう。


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春の雨

春の雨 優しく散らす 花びらは 消え方知らず ただ降りつもる

はるのあめ やさしくちらす はなびらは きえかたしらず ただふりつもる

春の雨が散らす桜の花びらは、雪と違って消えることなく積もっていく。

桜が満開になったころに降る雨。
雨の滴に耐えきれず次々と散る花びらは、まるで雪のよう。

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しかしながら、雪は消え方を知っているのに、花びらは消え方を知らない。

ただただ、雨と共に降り積もっていく。


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離れている君を想う

帰り道 流れる景色 眺めつつ 指おり数える 君に会える日

かえりみち ながれるけしき ながめつつ ゆびおりかぞえる きみにあえるひ

帰りの電車で、流れる景色を見ながら、会う約束まであと何日か数えている。

遠距離恋愛だった当時、会えない毎日が当然で、その生活にも慣れているのだけども。

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それでも、会える日が近づいて来るとつい指折り数えてしまう。

またしばらく会えなくて、その寂しさに慣れるまで時間がかかるとわかっているけれども。
それでも、今は会える嬉しさだけを感じていたい。


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桜散るとき

ひらひらと 空から降りし ひとひらの 散るを惜しむも 時は過ぎゆく

ひらひらと そらからふりし ひとひらの ちるをおしむも ときはすぎゆく

ひらひらと舞い降りてくる桜の花びらに、春の終わりを感じる。
まだ春のままでいてほしいと思うが、時が過ぎるのは変えられないのだなあ。

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今日、散歩をしていたら、もう桜の花が散り始めていた。
つい最近咲いたばかりだと思っていたのに、散るのはあっという間である。

もう少し桜の美しさを、春のにぎやかさを味わいたいと思うものの、時の流れは無情にも過ぎてゆくものだ。


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準備のとき

実りをば 得んとするなら 今はただ 日々黙々と 種をまくべし

みのりをば えんとするなら いまはただ ひびもくもくと たねをまくべし

何かで成果を出そうとするのであれば、今はただひたすら種をまくように準備するべきだ。

どのような植物でも、かならず種となるものを植えて、芽を出し葉を茂らせ花を咲かせて、ようやく実りの時を迎える。

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人生においても同じ。

なにかを得ようとするならば、まずは種となるものを植えなければ始まらない。


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