ひな祭りで我が子を思う

煌々と 揺れるぼんぼり 桃の花 十二単の 我が子を思ふ

こうこうと ゆれるぼんぼり もものはな じゅうにひとえの わがこをおもう

雛人形や桃の花と共に飾られているぼんぼりが煌々と揺らめいている。
いつの日か、今は幼い私の娘もこのような十二単を着て嫁ぐ日が来るのだろう。

古くから伝わる幼い娘子の健やかな成長を祈る桃の節句。
豪華絢爛な雛人形のそばには、ぼんぼりの灯りがゆらめいている。

華やかな十二単を纏ったお雛様は、とても優雅で美しく見る者を魅了する。

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今はまだその意味も知らなく、ただ私のそばであどけなく笑っている我が子。
我ら両親にだけ向けられる信頼の笑顔、力いっぱい主張する泣き顔。
まだ舌足らずな言葉も、いつの間にか会話ができるようになり、さまざまな経験と思いを抱えて成長していくのだろう。

今はまだ守るべき存在ですが、ずっとずっと幼いままでいるはずもなく、いずれこの手を離れていく。
誇らしさと頼もしさと、ほんの少しの寂しさを残して旅立つ日が来るのだ。

そして、いつの日か苦楽を共にしようと思える方に出会い嫁いでいくのだろう。
まだ先のこととはいえ、いずれ来るであろうその日を、私は思わずにいられない。

どうかどうか、娘が心身ともに健やかに成長するよう、娘の将来が末永く幸せであるよう祈り続けるのみだ。


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消えゆく冬に思いを馳せて

春風に 花は香れど 日の陰に 残りし白の 消えゆく惜しも

はるかぜに はなはかおれど ひのかげに のこりししろの きえゆくおしも

花が咲き乱れ春風に乗って香っているけれども、日陰ではまだ白い雪が残っている。
あれほど春を待ち焦がれていたのに、ひっそりと消えていく雪は名残惜しさすら感じるものだなぁ。

雪深い冬からずっとずっと指折り待ち望んでいた春。
その春が、花の香りをのせた風と共に華やかに染め上げていく。

皆が新しい季節に喜ぶ中、ひっそりと冬の名残を感じさせる軒下の雪。

圧倒的な存在感と冷たさで威圧的に身も心も凍らせていた雪が、今は見る影もなくひっそりと消えようとしている。

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その雪に、名残惜しさを感じてしまうのはなぜなのだろう。

春が来た喜び故の思いなのか、雪そのものが忘れないでほしいと願っている声を聞いたのか。

ただひっそりと、誰にも気づかれることなく、いつのまにか消えてなくなっていく雪。
いつも知らぬ間に季節は移り変わっていくというのに、まるでその季節の移り変わる瞬間に立ち会えたような思いさえ抱いてしまう。

消えて喜ばれるこの雪を、人知れず消えようとしているこの雪を見ながら、せめて今この時だけは、私だけでも冬に思いを馳せることにしよう。


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桜と恋の短歌

幾たびも 君が呼びし名 こころ燃ゆ 見ずとも香る 桜の如し

いくたびも きみがよびしな こころもゆ みずともかおる さくらのごとし

あなたの口から、あなたの声で、私の名を呼ばれるたびに、心が燃えるように熱くなり、見えなくても感じる桜の花の香りのように心が色づきます。

時は春。

凍えるような寒さがいつのまにかやわらぎ、若葉を照らす光が少しずつ強さを増し、吹き抜ける風が心地よく感じられるようになった頃、薄桃色の花が開き始めます。

花の名は、桜。

古今和歌集の頃から春と言えば桜と言われるようになり、日本の春の象徴ともいえる誰もが知っている春の花。

一斉に咲き、そして、潔く散る。

満開の桜の中でも、その香りは決して強すぎることはなく、あくまでも控えめにそっと寄り添う。
それはまるで、恋をしている胸の内そのもの。

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胸の中では愛する人への愛情でいっぱいなのに、表に出すことは怖いのです。

もし、嫌われたら、もし、愛想をつかせたら、もし、そっけなくされてしまったら。
愛するからこそ、他の人にされてもなんとも思わないのに、きっと立ち直れないほど傷ついてしまいそうで怖いのです。

でも、愛する人に名を呼ばれるたびに、その声が、耳にから胸に落ちるとき、自然と心が熱を持ち始めてしまう。

そう、まるで満開の桜のように、一斉に心が色づいていくのです。
きっと、隠している私の心の内も、桜の香りが隠せないように、あなたにもわかってしまうのでしょう。

どうかどうか、この胸の高鳴りが気づかれませんように。
私にはまだ、あなたに思いを告げるほどの覚悟が決まっていないのです。

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