老い桜の誇り

喧騒を 遠くに眺む 老い桜 見目変わりても 咲くを誇りて

けんそうを とおくにながむ おいざくら みめかわりても さくをほこりて

花見客の喧騒をどこか遠くのことのように見守っている古い桜の木。
見た目が変わったとしても、咲くことを誇っているかのようにひっそりと咲いている。

週末に、家族でお花見をしました。

隅田川沿いの桜並木。
川の向こうにはスカイツリー。
ものすごい喧騒。

主人に写真を撮ってもらい、
その情景を目に焼き付けながら、
短歌を詠んでは推敲。

もともとが田舎出身なので、
どうしても都会の喧騒は慣れなくて、
早々に車に戻ろうと帰り道を歩いていると。

静かな古いお寺に一角に、
古い桜の木がひっそりと咲いていました。

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先ほどの喧騒が嘘のように、
訪い人もいない静けさ。

おそらく、
この桜ももっと空を覆い尽くす時もあったのでしょう。
そして、
その花を愛で、人が賑わっていたのでしょう。

誰の目に触れずとも、
少ない枝に花を咲かせる老い桜。

その佇まいに、
我が身も正さなければと思った休日でした。

人も桜も、
盛りはもちろん美しい。

ですが。

老いても誇りを失わなければ、
若さでは表せない美しさがあるのです。


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津軽百首(津軽飴)

割り箸で くるくる練るは 津軽飴 無口な祖父との 遠い思い出

わりばしで くるくるねるは つがるあめ むくちなそふとの とおいおもいで

無口で穏やかな祖父と、大好きな津軽飴を割り箸で練る静かな時間。
あの赤い缶を見ると、今でも当時を懐かしく思い出します。

津軽飴。
赤い缶の中いっぱいに、
琥珀色の飴。

南部せんべいに挟んで食べることもありますが、
根っからの津軽人だった祖父母は、
割り箸でくるくると練ってから食べていました。

無口で穏やかな祖父が、
嬉しそうに缶を開けて取り出す姿に、
幼い頃の自分も嬉しくなったことを思い出します。

生クリームたっぷりのケーキのような華やかさもなければ、
和菓子のように繊細な色使いがあるわけでもない。

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見た目も味も、本当にシンプルな津軽飴。

それはまるで、
厳しい津軽の土地で生きた祖父母のようでもあります。

今年の連休に帰省した時は、
祖父母が眠るお墓にお供えしよう。

そして、娘にも食べさせてあげたいな。

「ひいおじいちゃんとひいおばあちゃんが大好きだったんだよ」と話しながら。


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白雲の梅

白雲の 指で染めたる 梅の花 咲き渡りては 空を仰ぎて

しらくもの ゆびでしめたる うめのはな  さきわたりては そらをあおぎて

白い雲の指先が触れたように真っ白に咲く梅の花は、みんな白い雲が恋しいから空を仰いでいるのでしょう。

吹き抜ける風が柔らかくなり、
まさに春本番。

空に浮かぶ白雲と見紛うほどに、
一面に咲く梅の花。

その白さはまるで、
白雲が触れて染めたかと思うほど。

白梅が空に向かって咲き誇るのは、
白雲を恋しがっているからなのでしょうか。

甘い香りと風に舞う花びらは、
さながら白雲への恋文のようにも思えます。

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紅梅も華やかで見事ですし、
薄紅梅も可愛らしいのですが、
白梅は清らかさがあるような気がします。

これで、梅三種の短歌が完成いたしました。

薄紅梅は、幼子に通じるような可愛らしさ。
紅梅は、一輪でも目を惹く華やかさ。
白梅は、真摯な清らかさ。

それぞれのイメージで詠んでみました。

 

さて、今日はこれからいよいよ裁縫タイム。

手持ち無沙汰で拗ねている娘に説明をしながら、
今週中にすべて終わらせようと思います!


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