苔を纏う石

さやと吹く 風にひらひら 散る花よ 我は眺る 苔を纏いて

さやとふく かぜにひらひら ちるはなよ われはながむる こけをまといて

春らしい柔らかな風に乗って、ひらひらと花びらが降り注いで来る。
石の身である私は、苔の衣を纏うほどの長い間、この花の命すべてを見守っている。

春になれば、
花が咲く。

風も心地よくなり、
生命の息吹があちこちから感じられる。

草木は芽を出し、
虫たちが活動を始め、
鳥たちが歌い出す。

華やかに変わる景色の中、
変わらないもの。

石の身である私は、
この場にずっと留まり続け、
四季折々の景色を眺めている。

それは、
今までも、
これからも、
何も変わることはない。

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苔むすほどの長い間、
ここにこうしている。

傍に生えている梅の木が、
いつのまにか大きくなり、
毎年、美しい花を咲かせ、
そして散っていく。

その花びらを拾うことも、
花に触れることもできないが、
それでも、
この季節に私は眺め続ける。

四季の中で一番美しく、
儚い夢のようなひと時。

せめて、
冷たい石ではなく、
この苔の衣の上に花びらが落ちるよう、
風に願うばかりである。

 

副業がなかなか忙しく、
そして幼稚園入園グッズの準備でてんてこ舞いで、
更新が滞り気味ですみません。

読んでいただいてありがとうございます。


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紅梅の簪

花の香に 誘はれ見れば 梅一輪  春陽に照る 紅の簪

はなのかに さそわれみれば うめいちりん しゅんようにてる  こうのかんざし

花の香りの先に目をやると、春の柔らかい日差しの中、細い枝先に紅梅が一輪、まるで簪のように咲いていました。

先日、家族で梅を見に行きました。

とても暖かく、
風も柔らかく、
まさに春が来たと言わんばかりの日。

ひときわ甘い香りがしたので、
ふと見上げると、
一輪だけ咲いている紅梅が。

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細い枝先に、
たった一輪だけ咲いている紅梅は、
まるで簪のようにも見えます。

その昔、
この梅を見て愛しき人の髪に飾りたいと、
和歌に添えて送った人もいたのだろうと、
そんなことを思わせてくれるような見事な紅梅の簪。

のどかな光の中で、
甘酒をいただきながら歌を詠み、
古の人へ想いを馳せる。

ゆっくりとした時間に、
心が癒された一日でした。


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幼子と春探し

幼子と 春を探して 薄紅梅 つぼみ綻ぶ ひとつふたつと

おさなごと はるをさがして うすこうばい つぼみほころぶ ひとつふたつと 

我が子と春を探しに散歩をしていると、薄紅梅のつぼみが少しずつ綻んでいて、もう少しで本格的な春が来そうです。

4月から幼稚園に入園する我が子。
こうして平日に公園へ向かうのも、もう数えるほど。

手を繋いで歩きながら、
「春はお花が咲くんだよね?お花どこ?」
と問いかける我が子。

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じゃあ、お花を探しに行こう!ということで、
バス停の近くの花壇や、
ご近所のガーデニングなどを見ていたのですが。

「わあ、見て!お花あったよ!」
嬉しそうに指差すその先には、
もう少しで咲きそうな薄紅梅が。

「いっぱいご飯食べて、大きくなってね!」
自分がよく言われているセリフを、
まだまだ小さなつぼみに向かって話しかけていて。

成長に目を細めるとともに、
今のこの時間を大切にしようと改めて思いました。


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春立つ日に

雪に浸む  光やわらぎ 春立ちて 大地は芽むぐ なよびかなりて

ゆきにしむ ひかりやわらぎ はるたちて だいちはめむぐ なよびかなりて

白い雪にやわらかな光が差し込み、雪で凍りついていた大地がやわらかくなり草が芽を出す季節になりました。

先週の雪が未だ消えぬままに、
ほんの少しだけ春めいてた昨日。

娘とともに散歩をしていると、
やわらかくなった大地から、
萌黄色の草が顔を出していました。

凍りついた土がやわらかになり、
春の息吹を感じる瞬間。

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今日はまた雪でしたが、
肌で感じる風は冷たくとも、
日差しの暖かさは春にむかっているようで。

少しドタバタと忙しい日々も、
ほっこりとした気持ちになります。

あのやわらかな土に、
やわらかな萌黄の草の芽。

深呼吸をして、
少しだけ肩の力を抜いて、
もうちょっと頑張ろう。


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