さやと吹く 風にひらひら 散る花よ 我は眺る 苔を纏いて
さやとふく かぜにひらひら ちるはなよ われはながむる こけをまといて
春らしい柔らかな風に乗って、ひらひらと花びらが降り注いで来る。
石の身である私は、苔の衣を纏うほどの長い間、この花の命すべてを見守っている。
春になれば、
花が咲く。
風も心地よくなり、
生命の息吹があちこちから感じられる。
草木は芽を出し、
虫たちが活動を始め、
鳥たちが歌い出す。
華やかに変わる景色の中、
変わらないもの。
石の身である私は、
この場にずっと留まり続け、
四季折々の景色を眺めている。
それは、
今までも、
これからも、
何も変わることはない。
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苔むすほどの長い間、
ここにこうしている。
傍に生えている梅の木が、
いつのまにか大きくなり、
毎年、美しい花を咲かせ、
そして散っていく。
その花びらを拾うことも、
花に触れることもできないが、
それでも、
この季節に私は眺め続ける。
四季の中で一番美しく、
儚い夢のようなひと時。
せめて、
冷たい石ではなく、
この苔の衣の上に花びらが落ちるよう、
風に願うばかりである。
副業がなかなか忙しく、
そして幼稚園入園グッズの準備でてんてこ舞いで、
更新が滞り気味ですみません。
読んでいただいてありがとうございます。