海原を 影にもならぬ 人を乗せ 声なく進む 次の駅まで
うなばらを かげにもならぬ ひとをのせ こえなくすすむ つぎのえきまで
釜爺からもらった切符で乗り込んだ列車は、影ほど暗くもない無言の人たちを乗せ、ただただ次の駅まで進んでいく。
ハクを助けるため、
千尋は釜爺からもらった切符を片手に、
銭婆に会うため列車に乗りこむ。
銭婆の魔女の契約印を渡す代わりに、
ハクの命を助けてもらうため。
列車に乗る人は言葉もなく、
ただ静かに海の上を進んでいく。
隣にすわるカオナシに、
景色を珍しそうに見続ける坊ねずみとハエドリ。
決して一人ではない。
一人ではないのだけど。
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乗り込んでいる乗客は、
影にもなりきれず、
かといって色を持つこともなく、
半透明の人間ばかり。
この列車は何なのだろう。
それでも、
目的地まで行くしかない。
ハクを助ける唯一の方法なのだから。
※スタジオジブリさんより、常識の範囲内で場面写真を使用できるとのことなので、ジブリ作品の短歌をシリーズとして詠み始めてみました(詠みやすい場面からになりますので、順不同となることを予めご了承ください)