津軽百首(宵の岩木山)

神さぶる 岩木の山は 二藍の 被衣かぶりて 宵を待つらむ

かみさぶる いわきのやまは ふたあいの かつぎかぶりて よいをまつらむ

神々しい岩木山は、二藍色の被衣かぶりながら、夜を待っているのでしょう。

被衣 (かつぎ)は、
女性が顔を見せないようにするために頭からかぶる衣のことです。

岩木山の神様は、
女性といわれています。

津軽富士と呼ばれるくらい美しく、
見る方面によって、
女性の横顔にも見えるといわれています。

私のふるさとである鶴田町は、
ちょうどこの横顔の岩木山が見える場所。

農作業をするときも、
学校に通う時も、
会社に向かう時も、
どんな時も。

岩木山は、
常にそこにあって、
心のよりどころになっています。

スポンサーリンク

もともと、
雪深い津軽には、
極端に高い建物は存在しません。

雪が積もったときの、
落雪の危険性や、
屋根の雪下ろし問題などもあるからです。

だからこそ、
どこまでも見通しが良く、
その広い平野に岩木山があります。

日が落ちて、
夜になる前の宵のひととき。

岩木山の神様は、
二藍色の被衣をかぶり、
夜を待つのでしょう。

それほどまでに、
この時間の岩木山は美しいのです。


スポンサーリンク

あなたに寄り添う心の短歌は、日常のふとした瞬間を短歌でつづっています。

人の心、季節の移り変わり、花の色、風の音。それは気にしなければ気にならずに済むくらいの小さな出来事。

その小さな出来事を忘れないように、思い出せるように、短歌を作ります。あなたの心の琴線に触れる歌があれば幸いです。

ブログランキングに参加してます。よろしければクリックお願いいたします。

にほんブログ村 ポエムブログ 短歌へ
スポンサーリンク