朝凪によせて

夜が明けて 風が止まりし 朝凪に 心溶けゆく 光静かに

よがあけて かぜがとまりし あさなぎに こころとけゆく ひかりしずかに

長い夜が明けて、静かな朝凪の海を見ていると、光が海に溶けるようにざわざわした心も溶けていくようだ。

夜が明けて、
風が止まるとき。

朝凪の海は、
まるで空を映す鏡のよう。

風の音のない、
波のない海は、
静寂の世界そのもの。

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その世界にいるということが、
今ここに生きているということが、
心のざわざわしたものを溶かしていく。

また風が吹き始めるように、
心もまた動き始める。

世界は静と動を繰り返し、
止まることなく動き続ける。


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過去を偲びて

人はみな 戻らぬ日々を 惜しみける 明日を待つ日も 待たぬ日さえも

ひとはみな もどらぬひびを をしみける あすをまつひも またぬひさえも

人間というものは、過ぎた日々がもう二度と戻らぬことを名残惜しく思うものだ。明日が楽しいと期待に満ちた日も、絶望に染まっている日でさえも。

過去を偲ぶということは、
もう戻れない日々への深い郷愁。

記憶の中には鮮明に、
音や景色がありありと思い出せるのに。

その思い出もいつか薄れ、
そして今がまた新たな過去になる。

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明日が楽しいと希望にあふれる日も。
明日が来なければいいと絶望に嘆く日も。

どんな日も、いずれ必ず過去になる。

今を今と感じられるのは、今だけ。

だからこそ、
時というものは平等であり、
残酷であり、優しいのだろう。


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津軽百首(用水路)

清らかな 水を導く 用水路 水面キラキラ 空色の泥

きよらかな みずをみちびく ようすいろ みなもきらきら そらいろのどろ

透明度の高い水が流れる用水路は、田畑にとっての生命線。
水面はキラキラと太陽の光を反射して、空を映す水底は泥すら空色に見える。

田畑にとっての水は、
人間にとっての血液のようなもの。

だからこそ、
用水路はまんべんなく張り巡らされて、
隅々まで水がいきわたるように流れている。

春は雪解けの水でキラキラと透明度の高い用水路。

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夏は草が覆ってしまい姿は見えず音が響く用水路。

秋は枯草を運び夕陽に輝く用水路。

冬は雪に閉ざされて音も聞こえぬ用水路。

四季折々の姿を見せる用水路は、
津軽平野に今日も命を届けている。


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紫陽花の蕾

紫陽花の 蕾ふくらみ 梅雨を待つ 新し傘で 我も待つかな

あじさいの つぼみふくらみ つゆをまつ あたらしかさで われもまつかな

紫陽花の蕾がふくらみはじめ、梅雨を心から待っているかのように見える。
傘を新しくして、私も梅雨を待ってみようかな。

紫陽花のつぼみがふくらみはじめ、
季節はいよいよ梅雨へと移り始める。

いまかいまかと待ちわびているように、
紫陽花のつぼみは空を仰ぎ、
葉は青々と茂らせる。

私も新しい傘にして、
梅雨を待ってみようかな。

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そうすれば、
紫陽花の気持ちがわかるかな。

憂鬱な梅雨を、
少しでも好きになれるかな。

梅雨に恋する紫陽花のように。


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色ふる風

青の葉に 真綿の雲に 野の花に 風は色ふる 皐月の空へ

あおのはに まわたのくもに ののはなに かぜはいろふる さつきのそらへ

初夏の瑞々しい葉や白い雲、そして野の咲く花を揺らしながら、風はさわやかな皐月の空へと色を変えてゆく。

あっという間に街路樹のハナミズキが、
青々とした葉を茂らせる季節になりました。

空には白く丸い雲。
もこもことして気持ちよさそう。

色とりどりの野の花も、
気持ちよさそうに風に揺れています。

その風は、
時に青の葉の色になり、
時に白き雲の色になり、
時に野の花の色になり。

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そして、最後は空の色になる。

全ての色に染まり、
そしてすべての色に染まらぬ風。

吹き抜ける風はどこまでも高く高く。

コロナ禍で暗いニュースが続きますが、
たまには空を見上げて季節を感じてみてくださいね。

梅雨前のさわやかな晴れの日。
きっと心が少し軽くなるはずです。


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