津軽百首(手間取りの母・津軽弁)

手間取りで 家サ帰るの 夜サなる わらはんどだぢ もう寝でらベな

てまどりで いえさかえるの よるさなる わらはんどだぢ もうねでらべな

農作業の日雇いの仕事を終えれば、もうとっぷりと日がくれて夜になっている。子供達はもう眠っているだろうな。

私の実家は農家でした。

でも、祖父と父が自分の畑をやっている間、
母は手間取りという他の人の畑の手伝いをしていました。
(家事は祖母担当)

りんごの収穫時期ともなれば、
もともと日暮れが早いのもありますが、
市場に出荷するための作業も相まって、
母が帰ってくるのは大分遅くなってから。

その頃には私はもうすでに夢の中でしたが、
朝、また忙しそうに手間取りにいく母。

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大人になってから、
その頃のことを謝られたことがあります。

“本当に可愛くてずっとそばにいたかったけど、裕福じゃないから手間取りをしなきゃ生活できなかった。寝顔を見るたびに、明日も頑張ろうって思えた。さみしい思いをさせて本当にごめんね。”

「寂しさはあったけど、母の仕事場の畑に遊びにいったり、お手伝いをしたりと、色々学んだことも多くて楽しかった」

と伝えた時、母はとてもほっとした表情になったことを今も思い出します。

そのリンゴ畑もすでに更地になり、あの頃の笑い声はもう記憶の中にあるばかり。
その思い出と景色こそが、月日の流れというものを、時間は決して止まることはないという現実を、まざまざと感じさせるのです。


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今だけの時間

「ママ、ママ」と 繰り返す吾子 今はまだ そのままでいい このままでいい

「まま、まま」と くりかえすあこ いまはまだ そのままでいい このままでいい

何かあるたびに「ママ、ママ!」と呼ぶ我が子。
いつか、その声は他に向けられることになるとわかっているからこそ、今はまだこのままでいい。

楽しいこと見つけた。
嬉しいことがあった。

悲しくて寂しくなった。
イライラして怒りたくなった。

お腹が空いた。
眠くなった。

どんなときも、
どんなときでも、
君が私を「ママ、ママ!」と呼ぶ。

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もう少し大きくなれば、
ママよりも友達が優先になって。

さらに大きくなれば、
恋人も優先になって。

どんどんどんどん、
私を呼ぶ声は少なくなっていくはず。

だからこそ、
今はまだこのままでいい。

たくさん、たくさん、
君のお話を聞くことにしよう。


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大雨の日

ざあざあと 音を響かせ 降る雨よ 寂しかろうか 悲しかろうか

ざあざあと おとをひびかせ ふるあめよ さみしかろうか かなしかろうか

ざあざあと音を立てて降る雨は、さみしいから降るのだろうか、悲しいから降るのだろうか。

ざあざあと、
音を立てて降り続ける雨。

鉛色の空は、
どこまでも果てしなく、
昼なのに夜のような暗さ。

まるで、
何かを嘆いているかのように。

ああ、雨よ。

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さみしいから泣いているのだろうか。
かなしいから泣いているのだろうか。

雲が心ならば、
雨は涙なのだろう。

ざあざあと、
ざあざあと。

空の涙は、
未だ止む気配はない。


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幼子との季節

幼子を 通して知るは さまざまな 四季折々の 日本の文化

おさなごを とおしてしるは さまざまな しきおりおりの にほんのぶんか

幼子を通して、さまざまな日本の伝統文化に触れることができ、改めて、行事の意味を考える日々が続いていく。

お正月、
節分、
桃の節句、
端午の節句、
七夕、
十五夜、
ハロウィン、
クリスマス。

毎月、いろいろな行事があって、
日本の文化もそうじゃない文化も楽しんでいる娘。

今は、夕涼み会に向けて、
浴衣の腰上げと袖上げに挑戦している私。

まだ仕付け糸での仮縫いだけれど、
着せてみたら上機嫌。

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にっこり笑顔で写真を撮りたがる娘。

去年までは浴衣ワンピースだったけど、
今年はいよいよ本格的な浴衣デビュー。

「足を開かないようにするのが、
キレイに見えるポイントだよ」とアドバイス。

来年はもっと大きくなって、
この腰上げと袖上げを解くのかしら。

そんなことを思いながら、
浴衣を縫う今日この頃です。


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津軽百首(立佞武多)

津軽野の 暑気を払うは 立佞武多 歌い踊れや 勇猛なれと

つがるのの しゃきをはらうは たちねぷた うたいおどれや ゆうもうなれと

奥津軽のねぷたと言えば「立佞武多」。
短くとも暑い夏に負けないように、歌い踊りながら街を練り歩く。

立佞武多と言えば、
「ヤッテマレ!ヤッテマレ!」の掛け声とともに、
高さ20メートル前後の巨大な山車が街を練り歩きます。

テーマソングは、青森を代表する歌手「吉幾三」の「立佞武多」です。
この時期、店内に入ると必ず聴こえてくる歌なので、
もはや奥津軽の人で知らない人はいないんじゃないかというくらい。

この歌が流れ始めると、ああ夏だなぁと感じる位です。
(きっと奥津軽に住む方ならわかっていただけるかと)

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この立佞武多は、
実は1998年におよそ80年ぶりに再開された祭りで、
今は奥津軽の夏の祭りとして欠かせないものになっています。

毎年、最も暑いと言われる8月の上旬に行われる「立佞武多祭り」は、
津軽の短い夏を思う存分楽しませてくれます。

青森ねぶた、弘前ねぷた、そして、五所川原の立佞武多。
短い青森の夏は、それぞれの場所、それぞれの祭りで盛り上がります。


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