歌というもの

歌は風 文字の羅列は 掴めなく 気づいた人の 胸に留まる

うたはかぜ もじのられつは つかめなく きづいたひとの むねにとどまる

歌というものは、まるで風のように通り過ぎていきます。
ただ、気づいた人の胸の内にだけ留まり、また形を変えて新しい風となるのでしょう。

歌というものは、
まるで風のように通り過ぎていく。

言葉の羅列は掴めるはずもなく、
こみ上げる思いは確かなはずなのに、
それに触れることすらできない。

それでも、
気づいた人の胸の内には、
そっと留まり続けるのでしょう。

そして、
その胸で形を変え、
言葉になり、
また新たな風となるのでしょう。

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風に始まりも終わりもないように、
ただ通り過ぎていくように、

歌もまた、
ずっとずっと通り過ぎていくのです。

 

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津軽百首(出稼ぎに行く雪の朝に)

泣く児見て 「行がねばマイネ」 頭撫で かがむ背中に 積もる綿雪

なくこみて いがねばまいね あたまなで かがむせなかに つもるわたゆき

出稼ぎに行かないでとしがみつく児が雪に濡れないよう、背中をかがめて頭をなで続ける父親。
「もう行かないと」と言いながらもなかなか動くことが出来ず、背中に綿雪が積もっていく。

(※安田蝸牛さん、ご協力ありがとうございました!)

秋の恵みに感謝した後は、
出稼ぎに行かなければならない。

しんしんと雪が降る朝。

ああ、もう綿雪になった。
これは積もるな。

「行げばマイネ」と
私の足にしがみついて、
まだ幼い子が泣いている。

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なるべく背中をかがめて、
降りしきる雪が幼子に当たらないように。

「もう行がねばマイネ」
そう要って頭を撫でるが、
なかなか足が動かない。

名残惜しい。
この児のそばにいたい。

それでも、
その願いが叶うことはなく、
時間だけが過ぎていく。

いつしか背中には、
綿雪が降り積もっている。

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津軽百首(出稼ぎに行く父)

出稼ぎサ 行ぐ父見送る 童コは 寂しぐねんだと 涙コ堪え

でかせぎさ いぐちちみおくる わらしこは さみしぐねんだと なみだここらえ

秋の収穫が終わると父が出稼ぎに行く時期になります。
幼心に、泣いてはいけないと涙を堪えて見送っていました。

賑やかな秋の収穫が終わり、
田んぼも畑ももの寂しくなる頃、
父親が出稼ぎに行きます。

ちょうどその頃に雪が降りはじめるので、
雪は別れの季節でした。

幼心に、

泣いてはいけない。
寂しがってはいけない。

と思っていた私は、

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「なんも寂しぐねぇもん」

そう言ってそっぽを向いて。

次に振り向いたころには、
父の背中が雪にまみれて遠くに。

流さない涙があって、
泣いている心があって。

津軽の冬は寂しく深く、
雪に閉ざされていくのです。

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物欲というもの

両の手に 溢れるほどを 抱えても 心置くのは ほんのひと時

りょうのてに あふれるほどを かかえても こころおくのは ほんのひととき

どれだけのものに囲まれても、新しいものを手に入れたとしても、その喜びというのはほんのひと時で消えてしまうのが、人の心なのでしょうか。

今の時代。

情報にしろ、
製品にしろ、
それこそ、何でもある世の中。

新しいものは次々と生み出され、
それを手にしては満足感を得る。

だが、
その満足感もほんのひと時で。

手にしたものはいつしか色褪せ、
また新しいものを求めてしまう。

これが物欲だというものならば、
そこにあるのは「商品」ではなく「手に入れる気持ち」そのもの。

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つまり、
ずっとずっと手に入れ続けなければ、
心がずっと飢えたまま。

その飢餓感が、
人の心を貧しくしている気がしてならない。

どれだけのものに囲まれても、
心を置いて見つめるのは、
手に触れたその時のみ。

だからこそ、
「手に入れる喜び」ではなく、
「使う喜び」を意識して過ごす。

人の心ひとつで、
いかようにも世界は変わるのだから。

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寝苦しい夏が終わり

すやすやと 夏より息を 深くして ふわふわ毛布で 眠る幼子

すやすやと なつよりいきを ふかくして ふわふわもうふで ねむるおさなご

寝苦しかった夏が終わり肌寒くなった朝晩。ふわふわ毛布でぐっすり眠る幼子の息は、夏のそれより深く、とても気持ちよさそうに響いている。

娘の体調不良から、
私の体調不良へとバトンタッチし、
ここ数日は大事をとって養生していました。

ようやっと体調も復活しましたので、
また少しずつ活動再開いたします。

寝苦しかった夏の夜と違って、
肌寒さを感じるこの季節。

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それでも、ふわふわの毛布にくるまって、
すやすやと寝息を立てる幼子。

その息は夏よりも深く、
表情はとても幸せそうで、
寒い季節もいいものだと感じさせてくれます。

今夜も、しっかりとお風呂であたたまって、
ふかふかの毛布にくるまろうね。

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