津軽百首(津軽弁)

津軽弁 岩木颪に 乗る調べ 想い伝える 雪を纏いて

つがるべん いわきおろしに のるしらべ おもいつたえる ゆきをまといて

津軽の厳しい冬に吹き渡る風。全てを凍てつかせ身を切るような冷たい風の中でも、想いを伝える津軽弁だけはほんのりとしたあたたかさを灯します。

(※安田蝸牛さんに上の句をいただきました、ありがとうございました!)

寒く厳しい津軽の冬。

世界は白に染まり、
全てを凍りつかせ、
吹き降ろす風は身を切るように冷たい。

その冷たい風は、
行くあてもなくただ吹きすさぶ。

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ひっそりと眠りにつく田畑に、
多くの実りをもたらしたりんごの木々に、
そして、各々の家に。

ただ耐えるしかないその冷たい風。

それでも、
その風に乗って聞こえる津軽弁は、
その人の想いを込めて、ほんのりあたたかい。

今でも、
あの冬の厳しい風を思い出すのは、
風の中に込められた想いを懐かしんでいるのかもしれない。

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秋雨の日に

雨が降り 窓が曇るる 秋の日に 暖を求めて 膝のる我が子

あめがふり まどがくもるる あきのひに だんをもとめて ひざのるわがこ

雨が冷たくなり窓が曇るようになった秋の日は、娘がずっとお膝でだっこをせがんでいます。その心地よいあたたかさに心も暖かくなります。

雨が続いていた秋の日。

いつのまにか、
涼しい雨は冷たい雨にかわり、
窓がうっすら曇り始める。

ストーブを出すかどうか悩むような日、
「きょうはすずしいね」と娘がだっこをせがむ。

雨だから公園はおやすみ。

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お膝に抱っこされた娘に、
絵本を読む。

ももたろうに大興奮。
たまにアンパンマンとコラボ。

小さな娘のキラキラした瞳と心が、
お部屋をあたたかくしてくれるよう。

晴れたら、
公園に行こうね。

そんな約束をしながら過ごす、
何気ない秋雨の日。


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津軽百首(冬支度その三)

秋霜の 軒に連なる菜の簾 津軽の風に やがて馴染まん

しゅうそうの のきにつらなる なのすだれ つがるのかぜに やがてなじまん

冷たい秋の霜で凍える軒先に、簾のように括られた青菜が連なっています。
北風に晒されてカラカラに乾けば、「しぐさ」の完成です。

(※安田蝸牛さんから下の句をいただきました、ありがとうございました!)

祖母が括り、
祖父が干した大根菜が、
軒先に簾のように吊るされている。

秋の霜が降りるようになり、
風が冷たさを増して、
足早に冬がやってくる。

今はまだ青々としたこの菜の簾も、
やがて津軽の北風に馴染んで、
カラカラに乾いていく。

これを水で戻し、
細かく切り、味噌汁にする。

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石油ストーブの上に、
金色のアルミ鍋にいれられた「しぐさ汁」は、
くつくつと小さな音をたてて、
夕餉に備えている。

決してご馳走ではなく、
粗食そのものの味なのだが、
たまに無性に食べたくなる。

しぐさ作りが終わったなら、
今度は雪囲い、ニシン漬け、ほっけの寿司などを作る。

厳しく長い津軽の冬。
冬支度はまだまだ続く。

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津軽百首(冬支度その二)

軒先に 菜を干す人の 影は伸び 宵呼ぶ烏 空を渡りて

のきさきに なをほすひとの かげはのび よいよぶからす そらをわたりて

畑仕事から帰ってきた祖父が、祖母の組んだ青菜を軒先に干しています。
その影は次第に伸び、巣に帰る烏の鳴き声が空に響いています。

(※安田蝸牛さん、ご協力ありがとうございました!)

日が傾き始める頃、
津軽の畑は少し賑わい、
その後、静けさに包まれる。

作業を終えて帰ってきた祖父は、
着替えをせずに、
そのまま祖母の組んだ大根菜を軒先に干していく。

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どんどん伸びる祖父の影が、
もうじき日が暮れることを物語っている。

夕焼け色の空には、
カァカァと鳴きながら烏が飛んでいる。

もうすぐ夜だ。
作業を終えた祖父は、
ほっと一息をついて、家の中に入る。

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津軽百首(冬支度その一)

縁側に 菜を並ばせて 藁で組む 祖母を温める 小春の日差し

えんがわに なをならばせて わらでくむ そぼをぬくめる こはるのひざし

縁側で、祖母が「しぐさ(干し草)」となる大根菜を藁で器用にくくっています。
その祖母を小春日が優しく包みこみ温めています。

(※安田蝸牛さん、ご協力ありがとうございました!)

祖父が畑仕事をしている頃、
祖母は縁側で「しぐさ」を作っている。

津軽の冬の非常食として、
貴重なビタミン補給としての「しぐさ(干し草)」。

それは、大根菜を干し、
津軽の冷たい北風に晒したもの。

冬の味噌汁といえば、この「しぐさ汁」で、
家庭によっては、郷土料理の「けの汁」に入れることもある。

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大根を収穫し、
名の部分を切り取り、ざっと水で洗い、
ザルの上で一旦水切り。

ある程度、水が切れたところで、
縁側に大根菜を並べ、
腰の曲がった祖母が藁でくくりつける。

晴れているとはいえ、
そこは冬に近い津軽の冬。
風が吹くとキンとした寒さが身に染みる。

そんな祖母を、
小春日が優しく包み込む。

秋深ける津軽の午後、
ゆったりとした時間が流れていく。

 


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