津軽百首(冬支度その一)

縁側に 菜を並ばせて 藁で組む 祖母を温める 小春の日差し

えんがわに なをならばせて わらでくむ そぼをぬくめる こはるのひざし

縁側で、祖母が「しぐさ(干し草)」となる大根菜を藁で器用にくくっています。
その祖母を小春日が優しく包みこみ温めています。

(※安田蝸牛さん、ご協力ありがとうございました!)

祖父が畑仕事をしている頃、
祖母は縁側で「しぐさ」を作っている。

津軽の冬の非常食として、
貴重なビタミン補給としての「しぐさ(干し草)」。

それは、大根菜を干し、
津軽の冷たい北風に晒したもの。

冬の味噌汁といえば、この「しぐさ汁」で、
家庭によっては、郷土料理の「けの汁」に入れることもある。

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大根を収穫し、
名の部分を切り取り、ざっと水で洗い、
ザルの上で一旦水切り。

ある程度、水が切れたところで、
縁側に大根菜を並べ、
腰の曲がった祖母が藁でくくりつける。

晴れているとはいえ、
そこは冬に近い津軽の冬。
風が吹くとキンとした寒さが身に染みる。

そんな祖母を、
小春日が優しく包み込む。

秋深ける津軽の午後、
ゆったりとした時間が流れていく。

 


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