津軽百首(出稼ぎに行く父)

出稼ぎサ 行ぐ父見送る 童コは 寂しぐねんだと 涙コ堪え

でかせぎさ いぐちちみおくる わらしこは さみしぐねんだと なみだここらえ

秋の収穫が終わると父が出稼ぎに行く時期になります。
幼心に、泣いてはいけないと涙を堪えて見送っていました。

賑やかな秋の収穫が終わり、
田んぼも畑ももの寂しくなる頃、
父親が出稼ぎに行きます。

ちょうどその頃に雪が降りはじめるので、
雪は別れの季節でした。

幼心に、

泣いてはいけない。
寂しがってはいけない。

と思っていた私は、

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「なんも寂しぐねぇもん」

そう言ってそっぽを向いて。

次に振り向いたころには、
父の背中が雪にまみれて遠くに。

流さない涙があって、
泣いている心があって。

津軽の冬は寂しく深く、
雪に閉ざされていくのです。

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